■Jealous -02-■



 あの日と同じように両手を手錠で拘束され、ワイヤーを手錠に通しケイブの柱に固定され。体の自由を奪われようとしているのだが・・・
「これ、挟んでおいた方がいいんじゃない?」
「うむ、マットレスも用意しなければな」
 ロビンとバットマンはナイトウィングの体が極力傷付かないようにと、手錠をかける前にまず手首にタオルを巻き、床や柱にはマットを敷いた。

 同じ状況で同じ事・・・じゃなかったっけ?

 現状況の奇妙さに首を傾げるナイトウィングの正面にバットマンが片膝を付いて。
「それで、次は?」
 これは治療だと言わんばかりに、なんとも優しい声色で聞いてくる。

 この状況って・・・いわゆるセカンドレイプじゃないの?

 色々文句を言いたいのだが、抵抗しても無意味なのはわかっている・・・それに、ナイトウィングは無意識にこの状況に興奮していた。指摘されれば全力で否定するだろうが・・・
「このあたりは・・・僕も、気絶してたからよくわからないけど・・・」
 ナイトウィングは顔を赤らめ、バットマンから目を逸らすと。
「・・・気が付いたら、コスチュームが・・・体の部分だけ、ぼろぼろだった・・・」
「・・・・・・へぇ・・・」
 そうやって小さく声を上げたのは、バットマンの背後に立っていたロビンだ。ここにはいない相手の行動に酷い怒りを感じているようで、その怒りの気配が漏れ出している。ロビンの顔を見たナイトウィングがビクッと体を震わせるほどだ。
「・・・・・・」
 そんなロビンの様子にバットマンは苦笑し、
「もうこのコスチュームは使えないからな・・・同じことをするぞ」
 そして万能ベルトから小型の折りたたみ式ナイフを取り出し。
「動くんじゃないぞ?」
 ナイフの切っ先がナイトウィングのコスチュームにかかり、力がこめられる。
 ナイトウィングは顔を背け、ぎゅっと目をつぶり、
「・・・うん」
 と小さく返事をした。

 ケイブの中に、布を切り裂く音が響く。それが何度か続いた後、パチン、とナイフをしまう音が。
「う・・・うわ〜・・・」
 それからしばらくして、固まっていたロビンが顔を押さえ声を上げた。
「ディック・・・なんていうか、その・・・」
「あんまり見ないで?・・・結構恥恥ずかしいんだから」
 目を逸らさずにじっと見ていたロビンに、ナイトウィングは顔を赤らめて言う。普段人に見られる事のないその場所を手で隠す事もできず。足をすり合わせ見えないようにしているせいで、余計にエロティックだ。
「っ!!・・・ご・・・ゴメ、ディック、ブルース・・・!!」
 すると突然、ロビンは走り出しその場から姿を消した。
「・・・・・・ティム・・・一体どうしたの?」 
 突然のロビンの行動に驚いて、ナイトウィングは目をぱちくりさせている。
「若いな・・・」
 バットマンはそんなロビンが走り去った方を見て苦笑すると。ナイトウィングのほうを向き直り自らの鼻先をとんとんと指先で叩いた。
 ロビンはナイトウィングの姿に酷く興奮し、鼻血を出してしまったのだ。
「あ・・・僕の格好、そんなに酷い?」
 バットマンの表現の意味に気づいて、ナイトウィングも苦笑し尋ねた。
「酷い、と言うより凄い、だな」
 バットマンはそれに答えると、彼の閉じられた足を割り開き、その間に体を滑り込ませる。
「っ・・・」
 鼻先が触れ合いそうなほど近くに迫られ、ナイトウィングの心臓が跳ねあがる。
「それで・・・次は・・・?」
 先ほどと同じだが、明らかに先ほどよりも熱に浮かされた声色でバットマンが囁く。
「んっ・・・鎖骨の、辺りに・・・キスマーク、つけられて・・・」
「・・・ここか」
 ナイトウィングの鎖骨の辺りに薄っすらと残っていた痕の上に、バットマンが口付け強めに吸い上げて、新たな痕を残す。
「んっ!・・・でも・・・気絶してる間に、キスとか・・・されてた、かも・・・」
 バットマンが顔を上げると、ナイトウィングは己の唇をぺろりと舐めて挑発めいた笑みを浮かべる。
「そうか・・・」
 すると、バットマンもにやりと笑い。ナイトウィングの顔の横へ両手をついて。
「n...nm...」
 ナイトウィングはバットマンとのキスが好きだ。
 触れ合うだけでは物足りず、舌を絡め深く甘く互いに貪りあう。それだけで、ナイトウィングは腰が抜けそうなほど感じてしまう・・・
 今、唯一残念なのは。両手を拘束されていてバットマンにしがみつく事が出来ない事だ。だからその代わりに、ナイトウィングは自由に動く両足でバットマンの腰を挟み込み、太股を擦り付けた。
「ah...」
 ゆっくりと唇が離れ、名残惜しそうに伸ばした舌を繋いでいた細い糸がぷつりと切れる。
「ジェイソンとも、こんなキスを?」
「はっ、ぁ・・・まさか・・・あんた、だから・・・だよ?」
 からかう様に言われた言葉には、誘うように微笑み答えた。
「・・・では、次は?」
 その微笑に誘われるように、腕や首筋にキスをしながら尋ねると。ナイトウィングは快楽に震える声で。
「んっあっ・・・乳首摘んだりっ・・・舐めたっ・・・っ・・・あぁっ!!」
 全てを言い終わる前に、バットマンはそこをきゅっと摘み上げ。反対側はべろりと舐め上げ、舌先で転がす。
「それっ、か、らっ!・・・僕っのっ・・・あひっ!!」
 言葉になっていないそれも、バットマンは理解をしてもう片方の手でナイトウィング自身を包み込んだ。
 途端、ナイトウィングは喉を大きく反らせ体を震わせる。
「・・・ディック・・・」
 そこへ、一度姿を消していたロビンが戻ってきた。
「んっ、あっ・・・ティ、ム・・・んっ」
 ロビンはナイトウィングの頬に手を添えると軽く上を向かせ、バードキスを繰り返し。
「n...nn...n.ah...」
 そして、少し開いたナイトウィングの口の中へ舌を滑り込ませ思う様貪った。そして、ゆっくりと唇を離すと・・・
「ね、ディック・・・僕は、どうしたらいい?」
 ナイトウィングが飲み込みきれず、顎を伝って流れ落ちる唾液をべろりと舐めとり、ロビンが尋ねる。
「・・・次は、何をされたんだ?」
 バットマンも、ナイトウィングの胸の突起から唇を離し胸や腹筋にキスをし。手はナイトウィング自身をやんわりと包み込みしごきながら尋ねる。
「んっ!!・・・あっ!あっ!!」
 二人に熱い視線を向けられ、ナイトウィングは妖しく微笑むと。
「ここ・・・舐めて・・・あっ!んっ・・・慣らし、て?」
 途切れ途切れの声で、しかしはっきりとそう言ったナイトウィングは。大きく足を広げ、その場所を二人の前に晒した。
「それに・・・」
 そして、己の唇を舐め。
「僕に、も・・・舐め、させて・・・」
 そんなナイトウィングの姿を見せ付けられ、二人が平静でいられるわけもない。
 ロビンはすでにナイトウィングのソコに釘付けで。何も言わずナイトウィングの足を抱え込み、ソコに舌を伸ばした。
「あっ!あっんっ!!」
「・・・では、私は舐めてもらおうか」
 ロビンの舌の動きに合わせ、甘く声を上げるナイトウィングの顔のすぐ傍に・・・バットマンがすでに熱く猛った自身を差し出す。
「あっはっ・・・ブルース、のッ・・・凄く、おっきくなってる・・・」
 ナイトウィングは嬉しそうに舌なめずりをすると、バットマンの大きなソレに舌を伸ばし、大きく口をあけて咥え込んだ。
「・・・っ。・・・ジェイソンのも、咥えたのか・・・?」
 熱い口内に包まれ、バットマンが声を詰まらせつつも尋ねると。ロビンも気になるのか、その場所から唇を離し、代わりに指を1本ゆっくりと埋め込みながら顔を上げた。
「んっ・・・んぅっ・・・あっ!・・・ん、だって・・・あっ!・・・そのまま。入れられそう、だったんっ・・・あんっ!!」
 喋っていると口は使えない。バットマン自身に頬を擦り付けながら答えるが、胎内で蠢くティムの指の本数が増やされ、言葉を発するのもやっとだった。
「喉のっ、奥っ・・・ま、で。突かれっあっ!ってっ!!・・・ジェイッソンのっ、かけられった・・・」
 さらに続けられた言葉に、ロビンが目を見開き動きを止める。
「・・・だか、ら・・・僕に、二人の・・・かけて・・・?」
 ロビンの動きが止まった事により、さっきよりもはっきりとした口調で言われた言葉と表情に、若い駒鳥は一瞬にして理性を奪われた。
「んぁっ・・・ティム・・・?あっ!!あくっ!!」
 ロビンは無言でナイトウィングの胎内に埋めていた指を引抜くと、彼の両足を大きく広げ、先ほどまで指で慣らしていたその場所へ一気に自身を埋め込んだ。
「あっ!ティムッ!!ダッメッ!!」
 突き上げられるたびナイトウィングは激しく身悶え、頭を左右に振る。ロビンはすでに知っているナイトウィングが最も感じる場所をはじめから狙い、突き上げていた。
「ディック・・・」
 声も抑えられず、生理的な涙を流し始めたナイトウィングの頬をバットマンが優しく撫でると。
「んぁっ!あっ・・・んっぐっ・・・」
 ナイトウィングは自ら大きく口を開け、再びバットマン自身に舌を這わせ、咥え込んだ。
「んんっ!んっ!!」
 ロビンに突き上げられるたび、ナイトウィングはその勢いのままバットマンのモノを喉の奥まで導く形となり、苦しさに呻くと自然とソコを締め上げる。
「あっ・・・ああっ・・・ディック・・・」
 次第にロビンの動きが小刻みなものになってくる。ロビンがナイトウィングに抱きつき、体を密着させたまま腰を揺らすと、ナイトウィング自身が擦られ二人の腹をしとどに濡らし・・・
「ディック・・・かければっ、いいんだっねっ・・・」
「んぅっ!?」
 荒い息のままそう言うと、振っていた腰の勢いのまま一気に自身を引抜き。
「んくっ!!あっ!!あっ!!!」
 バットマンの反対側に立ち、ナイトウィングの顔めがけ欲望を吐き出した。
「あぁっあっ・・・はぁっ・・・」
「んっ・・・んっぁ・・・」
 ナイトウィングはバットマンのものから口を離し、頬を伝い落ちてくるロビンの白濁を舐め、微笑んだ。
「あぁ・・・ディック・・・」
 達したばかりで俯いて肩で荒く息をしていたロビンは、そのままナイトウィングに抱きつき自身の白濁にまみれたその唇に何度もキスをしてから、
「ほら・・・早くブルースもかけてあげて?」
 ナイトウィングの頭を撫で、そんな二人の様子を眺めていたバットマン自身にキスをした。
「む・・・くッ・・・」
 流石のバットマンも、2羽の小鳥に同時に攻められ喉を反らす。
 ナイトウィングはバットマン自身をすべて飲み込もうと口に含み、ロビンはナイトウィングが飲み込みきれていないバットマン自身の根元や袋に舌を這わす。
「ディック・・・ティム・・・ッ!!」
「んぐっ!!んっ!!んぁっ・・・」
 頭を撫でていた手に力が込められ、口の中でバットマンのものが大きくなった気がした次の瞬間、喉の奥に熱い流れを感じ。
「あっ・・・あぁ・・・」
 ゆっくりと口から離れていくソコに、バットマンは手を添え。すでにロビンのもので白く汚れているナイトウィングの顔をや髪をさらに白く染めた。
 気がつけば、いつの間にかナイトウィング自身も達していたようで。自身の腹を汚している。
 全身どろどろになっているナイトウィングに、ロビンは愛おしそうに口付ける。
「本当はもっとディックを感じたいけど・・・あとはブルースに任せるね」
 精液の味がするキスを何度も繰り返し、ロビンが寂しそうに呟いた。
「んっ・・・あっ・・・ティッム・・・?」
 最後にもう一度ナイトウィングを強く抱きしめたロビンは、バットマンをじっと見て。
「ブルース・・・ディックの中からあいつを消してあげて・・・宜しくね?」
「・・・・・・」
 それにバットマンはこくりと頷くと、ロビンは満足したように微笑んでケイブを後にした。



「ティム・・・いきなり、どうしたんだろう・・・?」
「・・・あの子なりに、気を利かせてくれたんじゃないか?」
 ロビンがいなくなった後、いまだ荒い息を吐きながらも心配そうに言うナイトウィングの頭を撫で、バットマンは苦笑した。
 先ほどまであれほど淫らに喘いでいたのに、弟分の行動を心配し、すぐに兄の顔が出てくる。
 だが・・・
「んっあっ・・・ブルース・・・」
 頭を撫でていた手をそのまま耳の裏へ移動させると、ナイトウィングは再び甘い声を上げた。
「ティムにお前を託されたからな・・・さて、次はどうしたらいいんだ?」
 顔を赤らめ目を閉じて。フルフルと体を震わせているナイトウィングの耳元で意地悪く囁き体を撫でる。
「んっ!・・・ワイヤ・・・外し、て・・・」
 言われるままにバットマンは手錠を固定していたワイヤーをナイフで切ると、ナイトウィングはほっとした様に腕を下ろし。
「ブルース・・・」
「ん?・・・なん・・・ッ」
 バットマンを呼び、彼がマットの上に膝をついたことを確認すると。ナイトウィングは手錠のかかった腕をバットマンの首に回し引き寄せ。熱く深いキスをした。
「んっ・・・んぅ・・・」
 とっさの事に驚いていたバットマンも、すぐにそのキスに答え。ナイトウィングの腰に手を回す。
「・・・ねぇ・・ブルース・・・」
 ゆっくりと唇を離したナイトウィングは、ふいに、不安げな瞳でバットマンを見つめ。
「どうした・・・?」
 何か言いたげなその表情に、バットマンが先を促すと。
「あの・・・ね、こんなこと言うと、ブルースは怒るかもしれないけど・・・」
 ナイトウィングは少し俯き、上目遣いに・・・
「ジェイソンの事・・・怒らないで?・・・あの子はただ・・・」
「・・・わかっている」
 今回の事は、ジェイソンにまったく非がないわけではないが。彼が酷い孤独を感じているという事をバットマンも理解していた。
 そして、その孤独をディックは受け入れてしまうという事も。
 だが。
「・・・だが今は・・・他の男の事は考えるな・・・」
 そう言って今度はバットマンの方からナイトウィングの唇を奪う。ナイトウィングは嫉妬心をはっきりと見せるバットマンに苦笑して。
「じゃあ・・・記憶の上塗り、お願いね?」



 卑猥な水音がケイブに響く。
「あっ!ああッ!!!ブル、ス。ブルー、スッ・・・ッ!!」
 バットマンの突き上げに、ナイトウィングは甘く高い声で囀っていた。
 何度も何度も中に出されたバットマンの欲望が、腰を揺らすたび結合部分から溢れ出し、掻きまわされ、泡立つ。
 レッドフードに求められた時と同じように・・・それ以上にバットマンに求められ。
「あっ!またっ!!またイッ・・・ッ!!!」
 もう何度目かもわからない開放感に、ナイトウィングはバットマンの腕に抱かれ、ゆっくりと意識を手放した。
「・・・くっ、う・・・・・・ディック・・・」
 ナイトウィングが達した事により彼の胎内に納まっているバットマン自身は急激に締め付けられ。彼もまた、ナイトウィングの中に己の欲望を最後の一滴まで流し込む。
 力を失い、カクリと倒れそうになったナイトウィングの体を優しく支え、バットマンはゆっくりと自身を引抜いた。
「んぁっ・・・」
 ずっとそこに納まっていた太く長いソレが胎内からずるりと抜け落ちる感覚に、ナイトウィングは気を失っていながらも眉をひそめる。
 塞き止めるものを失ったその場所からは、バットマンの快楽の証が溢れ出していた。


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