■The What-For To A Bad Boy-01-■



 いつも共に行動をしているダイナミックデュオ。
 どんな時でも息の合ったコンビネーションでヴィランを退治している彼らだが。
「いい加減にしてよ!僕はもう子供じゃない!!」
 ・・・稀に、言い争いをすることもある。



 薄暗いケイブに響く、ロビンの叫び声。
 もううんざりだと言い放ち、睨みつける様はまるで猫の威嚇だ。
 そんなロビンの言い分を一通り聞いて、巨大コンピュータの前の椅子に座っていたバットマンは、小さくため息をつく。
「そうは言うがな、ロビン。あの時・・・お前はどういう状況だった?」

 事の発端はこうだ。
 いつものようにゴッサムの街をパトロールをしていて、ヴィランと戦闘になって。
 バットマンに注意されていたにもかかわらず、ロビンは飛び出してしまい・・・大勢の男たちに捕まり、酷い目にあわされそうになった。
 それでもなんとか騒ぎは治める事はできたのだが・・・。
 ロビン自身、忠告を無視して招いた結果に申し訳なく思っていた。だが、ケイブに戻る際中、モービルの中でのバットマンの物言いがあまりにも自分を子供扱いしているもので。『子供じゃない!』の発言に至ったというわけだ。
 一度へそを曲げると頑として譲らない。
 そんなところはよく似ているこの二人の言い争い・・・と言っても、怒鳴っているのはロビンだけだが・・・は平行線で。
 ひとしきり言い合った後、しばらく睨み合っていた二人だったが。
「お前の言いたいことはよくわかった」
 と、バットマンが大きくため息をついて立ち上がった。
 珍しく折れる様子を見せたバットマンに、ロビンが少々怪訝そうな顔をしていると。バットマンは彼のすぐ傍まで来て、自分よりも小さな彼を見下ろしつつ。
「だが、今回お前は自分の不注意で危険な目にあった事実は変わらない。それはわかっているな?」
「そ・・・それは・・・わかってるよ・・・」
 そのことに関して負い目を感じていたロビンは、流石に顔を合わせる事ができず唇を尖らせてそっぽを向いた。
「そうか、ならば・・・」
 そんなロビンの肩に、バットマンはそっと優しく手を置いて。
「戒めの意味も込めてお仕置きだ」
「へ!?」
 言うが早いか、彼はロビンの体をさっと反転させ、その両腕を後ろ手に縛りつけ。ロビンがもたれかかるようにしていたテーブルに、彼の上体を押さえつけた。
 尻を突き出させるような体勢に、お仕置きという言葉。

 まさかスパンキング!?

 バットマンがしようとしている事をそう解釈したロビンは、背中を押さえつけられたまま足をばたつかせ。
「ちょ!子供扱いするなって言ったでしょ!?お仕置きってなにする気さ!!」
 暴れるロビンを片腕で押さえていたバットマンは、何とか逃れようとする彼の尻に手をおいて。
「もちろん子供扱いはしない」
 と、にやりと笑って。その形の良い双丘の間をツイッと撫でた。
「っ!?やっ!何考えてるんだよ!!」
 目で確認することはできないが、尻を撫でる手の動きで自分が考えていたこととは違うことが狙いだとわかったロビンはさらに暴れようとするがテーブルに胸を押さえつけられているのでそれもままならない。
「言っただろう?『お仕置き』だ。私が到着するのがもう少し遅かったら・・・お前はどうなっていた?」
 押さえつけられたまま耳元でそう言われ。ロビンが動きを止め、後ろに回された拳をぎゅっと握りしめる。
 あの時、屈強な男達に捕えられたロビンは・・・あろうことか、凌辱を受けそうになっていた。

 自分はバットマンのサイドキックで、クライムファイターだから。顔や腹を殴られるくらいどうということはなかった。
 だが、そういった行為に効果がないと気づいた男たちの会話の内容がどんどんあらぬ方向に向かい、その視線がなんとも形容しがたい嫌なものに変わり。
 ナイフを片手に近づいてこられた時、ロビンはかなり怯えた表情を見せていた。それがまた男達の加虐心を増加させ・・・。
 押さえつけられ、コスチュームを破かれそうになった頃・・・バットマンが現れ、事無きを得た。

 その時の事を思い出し、嫌悪と悔しさに唇を噛みしめる。
 そこで、コスチュームを引っ張られる感覚に意識を戻すと、背後から布を裂く音が。
「え!?ちょっと何してっ!!?あっ!」
 気づけば背中を押さえていた腕も外されていて。体を起こそうとするが、いきなり尻を掴まれ。
「奴らは、こういう事はせずにお前を傷つけていただろうな・・・」
「ひあっ!?」
 バットマンは静かにそう言って、ロビンの秘所をべろりと舐め上げた。
「やだっ!やっ!!ブルっ・・・っ!」
 唾液を流し込むように、きゅっと締まるその場所に舌を尖らせて押し込む。しばらくそうやってから、今度はグローブをはずした手で小さく震える尻を撫で。
「力を抜きなさい」
「いっ!!?」
 バットマンはその場所へゆっくりと、指を1本沈めていった。
「痛い!痛いよブルースやめて!!」
 いくら唾液で濡らしておいたとはいえ、乾いた指を受け入れるにはそこはまだまだ固く閉ざされていて。ロビンは思わず悲鳴を上げる。
「もし私が間に合っていなければ。お前はこうやって慣らす行為もしてもらえずに犯されていたかもしれないな?」
「ひうっ!」
 バットマンは静かにそう言って、指をぐるりと回した。
 胎内で蠢く指の感覚に、ロビンは涙を浮かべながら体を震わせる。だが、暫くの間そうやっていると。固く閉ざされた蕾も次第に開きだし。バットマンの太く節ばった指を2本、3本と咥えていった。
「・・・舐めなさい、これ以上痛い思いはしたくないだろう?」
 ロビンが感じている感覚が、痛みだけではなくなったころ合いを見て、バットマンはロビンが突っ伏しているテーブルに腰を掛け、彼の頬を優しく撫でて促した。
 すると、ロビンは言われるがままに目の前に出されたバットマン自身に舌を這わせる。
「良い子だ・・・この行為も、濡らす意味ではなく奴らの快楽の為にやらされていたもしれない」
 頭を優しく撫でながら言われ、ロビンの体がびくりと震えた。
「髪を掴まれ無理やり口を開かされ、喉の奥まで突き入れられて・・・」
 優しい口調とは裏腹に、言っている内容は考えたくもないような事ばかりで。
「っ・・・ブルース・・・」
「ん?止めていい、とは言っていないぞ?それとも、もう入れて欲しいのか?」
 バットマン自身から唇を離し、見上げると。バットマンは優しい笑みを浮かべたままそう言って、テーブルから降りてロビンの片足を抱え上げた。
「っ!?ちがっ!やっ!やだ!!ブルース!!こんなのやだよ!!」
 それに慌てて、ロビンは身を捩って逃げようとするが。片足を抱え上げられたままの状態ではそれは叶わず。
「ひっ!やっ!あっ!ーーーーー!!!!」
 多少慣らされていたとはいえ、ブルースの大きなモノを受け入れるほど十分ではなく。ロビンは声にならない悲鳴を上げる。
 だが、バットマンは動きを止めずにさらに奥へと腰を進めてきた。
 いつもは自分の体を気遣ってくれるバットマンの、そんな無理やりの行動に、ロビンはぼろぼろと涙を流し「いやだ」「やめて」と何度も繰り返した。 
「私が到着するのが遅ければ。お前はもっと痛い思いをしていたかもしれない」
 それでも、バットマンは変わらない口調でゆっくりと腰を揺らし続ける。自身をロビンの胎内に完全に埋め込んで、彼の背に体を密着させ。
「人数もそれなりにいたからな。無理やり2本入れられたり、口にもねじ込まれたりしていたかもしれない」
 耳元で囁きながら、ロビンの閉じる事が出来なくなっている口内に指を差し込み舌を撫でた。



 ロビンは始め、バットマンのこの行為を頑なに拒んでいたが・・・バットマンは本気でロビンを傷つけようとしているわけではないので。痛みは感じるものの・・・次第に快楽を感じ始めていた。
 頭では嫌だと思っているのに、体が反応してしまい。そのことで、さらにロビンは涙を流す。
 暫くの間、バットマンはただ腰を振り、ロビンには一切愛撫を与えていなかった。
 だが、ロビンが言葉の抵抗をやめ、ただ泣いている事に気づくと。
「うっ、あっ!!?」
 彼の体を優しく抱きしめ、体を起こして繋がったまま、テーブルに腰掛けた。
 後ろから、膝裏に腕を回してロビンの体を支え、ゆるゆると腰を揺らす。
 すると、ロビンの唇から、明らかに苦痛とは異なる声が漏れ始めていた。
「ロビン・・・私はお前にそんな目にあってほしくないだけだ。わかって、くれるな?」
 優しい口調で耳元に囁きながら、徐々に激しく突き上げていく。
「うあっ!やっだぁっ!!いたっ!いっ!!やめっ!!」
 その言葉が聞こえているのかいないのか、ロビンはきつく目を閉じて、涙を流しながら首を横に振る。
 バットマンはそれにわざとらしく、意外だと言うような声を出し。
「痛い?そういう割には・・・」
「ひあっ!!」
「ずいぶんと、元気じゃないか」
 そう囁き、ロビンの下腹部。コスチュームに潰され、窮屈そうにしているロビン自身の形をなぞる様に、指を滑らせた。
「う、そっ!やだっ!やっぁっ!!」
「嘘なものか」
「あぁっ!!」
 バットマンは膝裏に回していた腕を離し、腰を支えて一切の隙間が出来ないほどに下半身を密着させ。
 ロビンの顎に手を添え、軽く持ち上げて自分の方を向かせ。
「感じて、いるんだろう?」
 ぼろぼろと泣きながら、体を震わせていたロビンは。突き上げられる動きが止まったことで、漸く、うっすらと瞳を開けてバットマンを見上げた。
 そして、小さな声で。
「ブルース・・・嫌だ・・・こんなのヤダよ・・・」
 バットマンの肩に頭を預け、その首筋に顔を摺り寄せ。
「お願いブルース・・・キス、して・・・」
 甘えるようにされた懇願に、バットマンは優しい微笑を浮かべると。
「駄目だ」
「っ!」
 今にも泣き出しそうな顔で見上げてくるロビンに、優しい微笑を浮かべたまま。
「お前の望みを叶えたら、"お仕置き"にならんだろう?」
 再びゆるりと腰を揺らす。
「やっ!あひっ!いっ!!」
「"お願い"をする前に、言わねばならん言葉があるんじゃないのか?」
 下からがつがつと太く硬いモノに突き上げられ、涙と涎で顔をぐしゃぐしゃにしながら。
「ひうっ!あっ!!ごっ!ごめんなさっ!ごめんなさっいぃっ!!」
「くっ・・・う・・・」
 叫ぶように謝罪の言葉を何度も言うと同時に・・・ロビンは触られてもいないのに、コスチュームの中で果て。
 バットマンも、ロビンが果てたことにより自身をキツク締め上げられ。彼の胎内へ欲望を吐き出した。



「あっ・・・ぅぁっ・・・」
 達した余韻で時折びくびくと小さく体を震わせているロビンの両腕を拘束していたロープを外し、バットマンは硬くなったその腕を優しく摩る。
「んっ・・・ブル・・・ス・・・」
 その刺激で、放心していたロビンが意識を戻し。バットマンの手に解放された己の手を重ね、指を絡め。
「ブルース・・・おしおき、終わり?」
 ゆっくりと、首を動かし自分を見上げ、尋ねてくるロビンの額にキスを落として。
「ああ・・・」
「じゃあ、もう。お願い聞いてもらっても・・・いい?」
「・・・そうだな・・・」
 ロビンが手を伸ばし、バットマンの首に腕を回すと。バットマンはそれを受け入れ、ロビンの唇に優しいキスを落とした。






 それから数年の月日が流れ。
 鮮やかな駒鳥は、青い鳥へと成長し。

「もー、ナイトウィングは自分の魅力をわかってなさすぎだよ!!」
 薄暗いケイブの中で、小さなロビンが頬を膨らませながら叫ぶ。
「魅力って・・・」
「僕達が行くのがもう少し遅かったら、あいつらにレイプされてたかもしれないんだよ!?」
 言葉を濁すことなくはっきりとそう言われ、ナイトウィングは苦笑いを返す。そんな彼の背後にバットマンは静かに近づき、ぽんと肩に手を置くと。彼はハッとして振り返る。
「久しぶりに"お仕置き"が必要か?」
 その言葉に、数年前のあの記憶が蘇り・・・ナイトウィングの頬が朱に染まった。
「・・・でも・・・もう、僕にはあの"お仕置き"は通用しないんじゃない?」
 それでも、どうにか笑って答えて逃げようとするが。
「2人がかりでも、か?」
 今度は更に笑えない答えが帰ってきた。
「・・・え?何?」
 何の話をしているのかわからないロビンにバットマンが何かを耳打ちすると。
「へぇ・・・イイね、それ」
 ロビンは普段の姿とはかけ離れた、大人びた笑みを浮かべ。
「ディック。覚悟はいい?」
 にっこりと笑みを浮かべたロビンに手を掴まれたナイトウィングは、諦めたように目を閉じる。
 その唇に、薄っすらと笑みを浮かべて。

                                 2009/07/25


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