■Dosage Of Medicine -02-■



「んっ・・・んんっ・・・」
 うっとりとした顔で自分のモノに舌を這わすディックの頭を優しく撫でながら、次はどう攻めてやろうかなどと考えているブルースは自分の危機に気づいていなかった。
 あのボトルに入った液体は、成分分析も済ませ。どれほどの量を摂取すれば良いのか等。すべて理解した上でのあの行動だったのだが・・・。
 だが、あの液体の特徴までは理解していなかった。
 それなりの量を摂取すれば、強烈な快楽に溺れ、理性が吹き飛ぶ。
 だが。ほんの少量だった場合・・・
 快楽よりも、相手を支配したいと言う気持ちが大きくなり。相手を組み敷き、命令をきかせる事が気持ちよくて仕方がなくなる。
 ほんの少しだけ飲んでしまっていたブルースや。初めて、ディックがこの液体を被ったときもその状態だった。
 そして、液体の効果が弱まってきている今・・・

 ブルースの足の間で身を屈め、その大きなモノに懸命に奉仕をしていたディックの舌が、徐々に移動し、明確な意思を持ってさらにその下。今まで誰も触れた事のない、その場所に這わされた。
「っ!?ディック!?」
 その瞬間、ブルースは驚きディックの行動を阻止するように顔をあげさせる。
 すると、ディックはそんなブルースを潤んだ瞳で不満げに見上げた。
「ディ、ディック。何・・・をする気、だ・・・?」
 ディックのまさかの行動に、ブルースは動揺していた。今まで何度も体を重ねてきたが、それを求められた事は一度もなかったからだ。
 だが。
「ブルース・・・あんたが欲しい・・・」
 そこでようやく、ディックが言う『欲しい』の意味が、『入れて欲しい』 ではないことに気が付いた。
「ねぇ・・・いいでしょ・・・?」
 まるで猫のように伸び上がり、唇を掠めるように、バードキスを繰り返し強請ってくるディックに応えられずにいると。ディックはすねたように唇を尖らせて。
「責任、とってくれるって言ったじゃないか・・・」
 そして、悲しそうに眉を寄せ。
「お願い、ブルース・・・このままじゃ、おかしくなっちゃうよ・・・」
 ブルースの腹に抱きつき、その場所に自身をこすり付けるように腰を揺らす。
「ねぇ、ブルース・・・」
 切なげな声で何度も名前を呼ばれ、ブルースは、そっとディックの顎に手を添えて顔を上げさせると、その唇に優しくキスをして。
「・・・・・・・・・・・・・・・・わかった・・・」
 たっぷり間をおいてはいたが、しっかりと言われたその言葉を聞いて。ディックは子供のような可愛らしい笑顔で、ブルースに抱きつきキスをした。



「ふっ・・・く・・・」
 うつ伏せになり、尻を突き出しているブルースのそこへ。ディックは舌を這わせ、差し込み、中へ唾液を流し込むようにして、その場所を解していた。
「くっ・・・う・・・ディック、いつまで、そこばかり・・・」
 今まで感じた事のない感覚と今までしたこともないその体勢に、ブルースは羞恥に頬を赤く染め肩越しにディックを顧みる。
「んっ・・・だって、ちゃんと解さなきゃ・・・ブルースに、痛い思いは・・・させたくないし、ね」
 その場所から唇を離し、そう言ったディックは、己の指に唾液を絡ませると、ブルースのその場所にあてがい。
「ブルースも・・・僕に、してくれたでしょ?」
「・・・・!!!」
 と、ゆっくりとブルースの体内へ侵入させていった。
 胎内に入り込んでくる異物感に、ブルースは体を強張らせ息を呑む。
「指でそんなに力入れてたら・・・僕の、入れられないじゃないか」
 ディックはくすくすと笑いながら、ブルースの首筋や背中にキスの雨を降らせ。しなやかな動きで胸やわき腹に指を這わせ。少し緩んでは、締め付けてを繰り返すそこへすっかり指を咥え込ませると。
「ちゃんと、気持ちよくさせて・・・あげるからね・・・」
 枕に顔を埋めて耐えているブルースの耳元で優しく囁き、ゆっくりと、ブルースの快楽を探り始めた。
「っぅ・・・あっ・・・」
 暫くのあいだそうやって、ブルースが慣れるように指を一本だけ入れて胎内を探っていると。
「んっ・・・う・・・」
 徐々に、ブルースの呼吸が荒くなり熱を帯び始めている事に、ディックは気づいた。その頃にはすでに、どこがブルースのイイトコロなのかわかっていたのだが・・・
「ねぇ、ブルース・・・どこが、気持ち良いの・・・?」
 まるで、小さな子供に話しかけるように優しく、耳元で囁けば。ブルースは体を震わせ身悶え、頭を横に振る。
「・・・言ってくれなきゃ・・・わからないよ?」
「んっ・・・ぁ・・・」
 ブルースの良い場所をわざと外して指を動かせば不満げな声が漏れる。
「ディック・・・ぁっ・・・た・・・頼む、から・・・っ!っ!!」
「なぁに?」
 わからないよ?と言うように軽く首を傾げつつも、その場所へもう1本、指を滑り込ませる。
 一本の指で散々慣らされ・・・焦らされたその場所は、多少の抵抗はあったものの、思いのほかすんなりと二本目を受け入れた。
「うくっ・・・うっ・・・」
 指が胎内で動くたび、ブルースの口から堪えきれない声が漏れる。
「ディック・・・ディッ、ク・・・ぁっ・・・」
 徐々に、ブルース自身も自ら腰を揺らし始め。
「ブルース・・・」
「ぅあっ!?」
 ディックはその場所からゆっくりと指を抜くと、ブルースに圧し掛かるように背後から抱きつき、その頭を優しく撫で。
「欲しいモノが・・・ある、でしょ?僕に、教えて・・・?」
 と、優しく囁いた。
 ブルースはゴクリと喉を鳴らし・・・。
「ディック・・・、お・・・お前、の・・・・・・」
 震える唇で、羞恥に耳まで赤く染めながら。ブルースはゆっくりと言葉を紡ぐ。
 ディックはそれを、ただ優しく頭を撫でて聞いていた。
「お、お前の・・・モノを・・・私に・・・い、入れて。くれない、か・・・」
 直接的な物言いではなかったが・・・とうに液体の効果が切れてしまっているブルースには、これだけを言う事も相当恥ずかしかったはずだ。
 それでも、ちゃんと自分を欲しいといってくれた。ディックにはそれで十分だった。
 ディックは枕に顔を埋めているブルースの顎に手を添え、後ろを向かせると。
「ちゃんと言ってくれて、嬉しいよ。ブルース・・・今、あげるからね・・・」
 優しいキスをして、長い時間をかけて解したそこへ自身をあてがい。
「んぐっ・・・うっ・・・っ!・・・っ!!」
 ゆっくりと、細心の注意を払ってブルースの胎内へと身を進めた。
「あぁ・・・ブルース・・・」
 ブルースの腰をしっかり支え、全てを飲み込ませたディックは微笑み、震えるブルースの背にキスを落とす。
「ブルース・・・わか、る・・・?僕が、あんたの、中に・・・いるんだ、よ?」
 キツイ締め付けに声を詰まらせながらディックが囁くと、ブルースはシーツをぎゅっと握り締めたまま、コクコクと何度も頷いた。

 初めはブルースを気遣うようにゆっくりと腰を動かしていたディックも、ソコの滑りが良くなるにつれて。次第に激しく突き上げるようになる。
 声を抑えていたブルースも、さすがに強く突き上げられて声を漏らし始めた。
「ねぇ、ブルース・・・気持ち、イイ・・・?」
 一度、動きを止め。その背に覆いかぶさるように体を密着させて耳元で、少し息が上がってはいるが、甘い声で囁くと。ブルースはぎゅっと目を瞑り、歯を食いしばったまま力なく頷いた。
 ディックはそんなブルースの様子に目を細め・・・。
「じゃあ・・・ブルースの、イイ声。聞かせて・・・?」
 子供に言い聞かせるような、優しい声色。そんな声で囁かれ、ブルースはびくりと体を震わせ一瞬動きを止めるが。すぐに頭を枕にこすり付けるように、左右に振った。
「どうして?僕、ブルースの声・・・聞きたいな」
 そして、ブルース自身にそっと手を添え、ソコを扱く動きに合わせ腰を揺らす。
 もう片方の手は、ブルースの鍛え上げられた筋肉にそって這わされ。胸の小さな突起をきゅっと摘み上げた。
「っ!!・・・っ!!」
 途端、ブルースの体は水から上げられた魚の様に跳ね上がる。
「ねぇ・・・ブルースッ、んっ・・・お願い・・・っ・・・」
 耳のすぐ横で、荒い息を吐きながら。熱に浮かされた声で"お願い"をされ。ブルースの理性が崩れそうになるが・・・それでもまだ、歯を食いしばっていると。
「ぅあっ!!?」
 不意に、片足を掴まれ。中心は繋がったままに体を反転させられ。ブルースは思わず声を上げてしまった。
「あっ!ああっ!!まっ!まてっ!!ディッ・・・!!!」
 そのまま、一番感じる場所を押し上げるように突き上げられ。ブルースは一度上げた声を抑えられずに、ディックに揺さぶられるままに甘い悲鳴を上げ続けた。
「あぁ・・・ブルース・・・ブルース・・・凄く、可愛い・・・っ」
 普段では絶対に見る事も、聞く事もできないブルースの痴態に、ディックは酷い快感を覚え。さらに大きく足を開かせると。ブルースのイイ所を執拗に攻め立てる。
「ディッ、クッ・・・ディッ・・・ク・・・も、ゆるしっ・・・尻が、おかしく・・・なっ・・・あっ!」
 涙を流しながら悲願するブルースに、ディックは恐ろしいほど美しい笑みを浮かべて。
「おかしく、じゃなくて・・・気持ちイイ、でしょ・・・?」
 間近で囁かれ、キスをされ。ブルースはディックの首に腕を回し。
「ほらっ・・・んっ・・・気持ちイイって、言って・・・?」
 攻める腰の動きはそのままに、ぎゅっと抱きついてくるブルースの頭を優しく撫でていうと。とうとうブルースの理性の壁が崩れ落ち。
「くっ!あっ!!イイッ・・・ディック・・・っ!!尻がっ!あっ!ああっ!!」
 あられもない声を上げ、腰を振るブルースに、ディックは優しい口付けを落とすと。
「いい子・・・今、ご褒美を上げるからね・・・」
 天使のような笑みで、強く、ブルースを突き上げ。
「あひっ!あっ!あああ!!!」
「んっ・・・!!!」

 ブルースは、ゆっくりと遠のく意識の中で。
「・・・ブルース、愛してる・・・」
 甘く優しい囁きと、柔らかな口付けを感じ、微笑んだ。



 情事の後の気だるさの中でまどろんでいたブルースは、
「うぁっ!?」
 と言うディックの声とドサリと言う何かが落ちた音で目を覚ました。
「・・・・・・?・・・ディック・・・?」
 ベッドに体を預けたまま辺りを見回しても、隣にいるはずの人物がいないことを不思議に思い。少し体を起こして名を呼ぶと。
「あ、ごめん・・・起こしちゃった・・・?」
 と言う声が、ベッドの横から聞こえてきた。
 何故そんな所から?と、声のするほうへ移動してみれば。ディックは何も体に纏っていない状態で、じゅうたんの上に座っていた。
「・・・何を、している?」
 ベッドの上から訪ねれば、ディックは恥ずかしそうに顔を赤らめ。
「んと・・・何か、体を拭くもの取ってこようと思ったんだけど・・・」
 どうやら、ベッドから出て歩こうとしたが足腰に力が入らずそのままベッドからすべり落ちるように座り込んでしまったらしい。
「そういう時は起こしなさい。私が行って来るから」
 ブルースはディックの腰に腕を回し、ベッドの上に引き上げると。そのまま後ろ抱きにして、目の前の黒髪に頬刷りをする。
「えっ・・・あ・・・だ、だって。だって・・・」
 すると、前に回された腕をぎゅっと抱きしめるようにして、ディックは今にも消え入りそうな声で。
「ブルースも、辛いかなって・・・思って・・・」
「・・・あ・・・あ〜〜〜」
 言われ、そこで漸くブルースは気を失う前のことを思い出した。
 そして、急激に恥ずかしさと言うか・・・なんともいえないむずがゆい感情が湧き上がってくる。そして、真っ先に思ったのが。
「・・・お前には相当負担をかけていたんだな・・・・」
 ディックは極力ブルースに負担がかからないようにと行為に及んでいたが。初めて、ディックを抱いた時。自分はどうだっただろうか・・・。
 言いながら頭を撫でると、ディックはブルースの腕をさらに強く抱きしめた。
「・・・もしかして・・・嫌だった?」
 そして、呟かれた言葉にブルースは目を見開く。
「何・・・?」
「だって、辛かったから・・・そう、思うんでしょ・・・?」
 ごめん・・・と小さな声で謝って来るディックに慌て、ブルースは彼の体を反転させると腕の中に抱き込み。
「違う、そうじゃない・・・!!」
「・・・ブルース?」
「そ・・・その・・・。つ、辛くなかったと言えば、嘘にはなるが・・・」
「・・・・・・」
「その・・・体格の差、と言うものが・・・あるだろう?」
 もともと、ディックはブルースの言葉の少ない一言から、ものを読み取ることができる子だ。
 この時も、もごもごと口ごもりながら言ったブルースの言葉の意味を悟り、顔を赤くし。ブルースにぎゅっと抱きついた。
「確かに・・・最初は痛かったけど・・・」
 ブルースの胸に顔を埋めたまま、今度はディックが小さな声で。
「僕、ブルースにしてもらうの・・・好き・・・だし」
 今は、気持ち良いし・・・
 それを聴いて、ブルースは再び強くディックを掻き抱いた。



「ディック・・・その・・・できれば・・・」
 ブルースの腕枕でまどろんでいたディックの髪を撫でながら、控え目にブルースが声をかければ。
「ああ、うん。もう、したいなんて言わないから。安心して?」
 ディックはちゃんとわかっている。というかのように微笑み、そう言った。
「・・・そ・・・そうか・・・」
 それに対して、ブルースが複雑な表情を返すので。
「あれ?ブルースはして欲しいの?」
「いっ、いやっ!そういうわけでは・・・!!」
 ディックはからかう様に言いながら身を起こし、ブルースの肩に手をかけ押し倒した。
 すると、ブルースは慌てて首を横に振る。
「フフ、わかってるよ」
 そんなブルースの様子に笑みを零したが・・・。
「あ、でも・・・どうしても我慢出来なくなったら・・・お願い、してもいいかな?僕だって男なんだし」
 無理にとは言わないけど・・・と。ディックの控えめな、申し訳なさそうに言われたお願いを、ブルースが断ることなど出来るはずもなく。
「・・・た・・・たまになら・・・な」
 ふいっと、顔をそらして返された返事に、ディックは子供のように微笑みその逞しい胸に頬を寄せ。
「・・・僕ね、男を抱いたのはブルースが初めてなんだよ?」
「・・・・・・・・。私も、抱かれたのは・・・初めてだ・・・」
「ん。今はそれだけで・・・十分だから・・・」
 目を閉じて呟くディックの頭を撫でながら、ブルースは小さく息をはいた。






 夜のゴッサム。
 ビルの屋上で対峙する、二つの影。

 一つは、漆黒のケープを纏ったバットマン。そしてもう一つは、赤いマスクを被ったレッドフードこと、ジェイソンだ。
 2人は睨みあったまま、暫く黙っていたのだが。先に、口を開いたのはバットマンだ。
「ジェイソン。お前、ディックに抱かれた事は?」
「はぁ!!?」
 いきなり問われた言葉の内容に、レッドフードは口をあんぐりと開けたまま軽く混乱していた。
「YesかNoか、ただそれだけ答えればいい」
 そんなレッドフードの様子は気にも留めずに、バットマンは淡々と言う。
「ん、んなことあるわけねぇだろ!!?」
 それに対し、レッドフードは漸く我に返り叫び返した。
 すると・・・
「・・・そうか」
「・・・ちょ・・・なんだよその勝ち誇ったような顔・・・」
 滅多に笑わないバットマンがニヤリと傍目にわかるほどの笑みを浮かべ。
「ま・・・まさか・・・」
 レッドフードは、自分の考えたことが外れていればいいと・・・そのとき心底思っていた。

 同時刻。少し離れたビルの屋上に、二つの陰が舞い降りる。
 バットマンと別行動を取っていたロビンとナイトウィングだ。
 2人は、指定の時間になっても現れないバットマンを探しに来たのだが・・・
「あ、あいつまた!!」
 少し離れた場所にあるビルの屋上で、バットマンとレッドフードが対峙しているのを目撃したロビンが声を上げる。
「っ!?・・・ナイトウィング・・・?」
 すると、隣にいたナイトウィングがロビンよりも先に隣のビルへと飛び移った。
 いつもならばまず自分が動いてからナイトウィングは行動を起こすのに・・・
 と、ロビンは少々不思議に思いながらも、ナイトウィングの後を追った。

 そして、再びバットマンとレッドフードがいる屋上にて。
 不敵な笑みを浮かべているバットマンに、何も言い返せないでいるレッドフード。
 その後方に、ふと、バットマンが視線を動かしたと思った瞬間。
「うぎゃっ!!?」
 レッドフードは情けない声を上げて倒れこんだ。
 別のビルから移動してきたナイトウィングが彼の背中を蹴り、そのまま着地と同時に踏みつけたのだ。
「よぉ、ジェイソン」
 ナイトウィングはマスク越しにもわかるほどとても良い笑顔を浮かべながら、レッドフードをぐりぐりと踏みつけている。
「ディ・・・ディッキー・・・」
 踏みつけられたまま、レッドフードは首だけを捻りナイトウィングを見上げていた。
「・・・?なんだよ。僕の顔に何かついてる?」
 いつもなら、ここで何か余計な事を言ってきそうなものなのに、何も言わずただ自分を見上げてくるレッドフードを不思議に思い、ナイトウィングが怪訝な顔をすると。
「あ・・・いや・・・」
 レッドフードはいったん視線を外した後、再びナイトウィングを仰ぎ見て。
「・・・え〜っと・・・た、楽しんでくれたようで・・・何より・・・」
「・・・は?」
 レッドフードの言葉の意味を測りかねたナイトウィングは一度首を傾げたが。自分がここに来る前に、レッドフードはバットマンと会話をしていた。という事を思い出し。
「っ!?ブルっ・・・バットマン!?あんたいったい何言った!!!?」
 と、叫ぶ勢いのままにバットマンがいた方向へ顔を向けるが、そこにはすでに彼の姿はなく。
「バットマン、もう向こう行っちゃったけど・・・」
 とロビンが指差す方向には、すでにだいぶ遠くへ行って、小さくなった蝙蝠の姿が。
「〜〜〜〜〜!!!!」
 耳まで真っ赤に染め上げたナイトウィングはすぐさま後を追い、その場には倒れたままのレッドフードとロビンが残された。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
 レッドフードは何かにショックを受けていて喋る様子がなかったが。ロビンもレッドフードに何があったか聞こうとは思っていなかった。
 ただ、決定的瞬間を撮り逃したかもしれないと思いながら、先に移動した二人の後を追うためにワイヤーを投げた。



END

                                 2009/01/28




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