■Character Exchange -02-■



「・・・ふぅ」
 客が帰ったことを確認し、巨大コンピューターの前にいたロビンの姿をしたバットマンは小さく息を吐いた。
 そんなロビンを、ナイトウィングはじっと見つめている。
「・・・どうした?」
 それに気づいたロビンが尋ねると、ナイトウィングは少しびくっとして視線を泳がせた。
「あ・・・いや・・・別に・・・」
「なんでもない、と言う態度ではないな」
 椅子に座って、偉そうに足を組んでいるロビンからは、あのいつものかわいらしい雰囲気は一切見られない。
「あ〜・・・いや、見た目が違っても・・・やっぱりブルースなんだなぁって」
 苦笑して言われた言葉に、ロビンは怪訝な顔をする。
「かわいいなって・・・キスしたくなっちゃった」
「なっ!!」
 肩を抱き寄せられ、耳元で囁かれ。ロビンの顔が一気に赤く染まる。人格は40代の大人の男性でも、体はまだ10代の少年のものだ。感情の変化は、素直に顔に現れる。
「かわいいなぁもう!!!」
 ナイトウィングは顔を真っ赤にしたロビンを思い切り抱きしめる。本当に、かわいくて仕方がない、と言った様子だ。
「だっ、ダメだぞ!?」
 腕の中で顔を真っ赤にしてもがくロビンが、やっとの思いで声を張り上げる。何に対しての『ダメ』なのか、一瞬考えたナイトウィングだったが。
「あっは!大丈夫しないから。安心して?」
 抱きこまれたまま、頭を撫でられ言われた言葉にほっとするのもつかの間。ナイトウィングの肩越しに、にこやかにこちらを見ている自分の姿を確認してしまった。
「ティムッ!?これは・・・っ」
「僕はかまわないんだけどな」
 ナイトウィングを引き剥がし、言い訳をしようとしたが、それをさえぎるように言われた言葉に、ロビンとナイトウィングの二人が目を見開く。
「僕だってディックのことが好きだもん」
 にこっと笑顔で言われた言葉に、今度はナイトウィングが顔を赤くする。それを見て、ロビンが少しむっとした。
「・・・何を赤くなっているんだ・・・」
「えっあっ・・・・だっ、だって・・・」
 ブルースの顔で、ブルースの声で、あんなことを言われて平静でいられるわけもない。
 どぎまぎとしている間にいつの間にかナイトウィングの真後ろに移動したブルースの姿をしたティムが、そっとナイトウィングの腰に腕を回し抱きしめる。
「ブルースはずるいな、いつもこんなかわいいディックが見られるんだ・・・うらやましいよ」
 あまりの出来事にナイトウィングが動けないでいると、それをいいことにブルースの手がナイトウィングの体を撫でる。
「ティ・・・ティム、やめ・・・・」
 ブルースの手が動くたびに、ぎゅっと目を瞑ったナイトウィングはびくびくと体を震わせていた。
「ねぇディック、キスしても・・・良い?」
「っ!!?」
 耳元で甘く囁かれ、弾かれたようにナイトウィングが肩越しに振り返る。そのままブルースの手で顔を固定され、後数センチで唇が触れ合・・・
「ダメだだめだダメだ!!!」
 そこでようやく、目の前の出来事に驚き固まっていたロビンが我に返り、二人を引き剥がす。
「お前にはまだ早い!!」
 まるでブルースからナイトウィングを守るようにして抱きしめ怒鳴りつけた。
「う〜ん・・・僕が怒鳴っても迫力に欠けるな・・・」
 しかし、そんなロビンの威嚇もブルースにはどこ吹く風。
「まだ早いって・・・この体はブルースのだよ?」
「そ、そういう問題ではなくてだな!!」
 体が変わってしまっただけなのに・・・ブルースの姿をしたティムは余裕の表情で、ティムの姿をしたブルースは切羽詰った状況になっていた。
 ブルースは抱き合うロビンとナイトウィングににっこりと微笑みかけ。
「ねぇ、ブルース。自分がディックを犯しているところを見てみたいと・・・思ったことはない?」
 いったい何を言い出すんだ・・・!?
 と、ナイトウィングはブルースの声で発せられた言葉に目を見開き己の耳を疑った。そして、すぐさま来るであろうと思った否定の声が上がらない事に、恐る恐る自分を抱きしめているロビンへと視線を移す。
 ロビンはじっと微笑むブルースを見ていたが、ゆっくりとその視線を落としナイトウィングを見つめ、ごくりと喉を鳴らす。
「え・・・ちょ・・・」
 流石に身の危険を感じたナイトウィングがゆっくりとロビンから離れようとするが、その肩をがっしりと掴まれそれも出来ない。
「・・・じょ、冗談・・・だよ・・・ね?」
 完全におびえた瞳でロビンを見上げたナイトウィングに、止めを刺すかのようにロビンは噛み付くような口付けを落とす。

 若い肉体を得たブルースに、もう我慢は出来なかった。



 始めは驚きのあまり強張っていた肩から、だんだんと力が抜ける。

 拒むように相手の胸に当てていた掌は、短い髪のさわり心地を確かめるようにゆっくりとした動きで、戸惑いを見せながら頭へと移動し。

「ぁっ・・・んっ・・・」

 一方的な口付けから、お互いの舌を絡めるような濃厚な口付けへ。

「・・・ずるいよブルース、僕にはまだ早いとか言っておいて」
「んぁっ・・・・」
 放っておけば、いつまでも唇を合わせているのではないかと思うほど熱い口付けを見せ付けられ、ブルースが少し拗ねた様に言い。ロビンの頭に回ったナイトウィングの手をとり、自分の方へと抱き寄せた。
「ティム・・・」
 お楽しみのところ邪魔をされ、不機嫌そうにロビンが名を呼ぶと、ナイトウィングを後ろ抱きにして支え、その頬やまぶたにキスの雨を降らせていたブルースがニヤリと笑う。
 目の前にいるのは、姿はロビンだがその中身はプレイボーイのブルースだ。自分がどれほどがんばっても、ディックを満足させるテクニックを彼のようには持ち合わせていない。ならば、今のこの姿を活用しない手はないではないか。
「・・・ディック・・・」
 ナイトウィングの耳元で、囁く。途端、腕の中の体がびくりとはねた。
「ロビンのキスが、そんなに良かったのか?」
 耳に吐息がかかるほど近くで、ブルースの声で、ブルースの口調で、低く、優しく囁く。
「あっ・・・あっ・・・やめっ・・・ひあっ!!」
 吐息が耳を掠めるだびナイトウィングの体がびくびくと震え、その足から力が抜けていく。
「やめる・・・?何をだ?」
 さらに意地悪く囁くと。我慢できない、というかのようにナイトウィングの方からブルースの首に腕を回し、熱い口付けをよこしてきた。
 ブルースの姿をしたティムはニヤリと笑い、ナイトウィングの腰に腕を回し互いの腰を密着させる。
「んっ・・・んんっ・・・ぁっん・・・」
 まるでチークダンスを踊るかのように腰を揺らすと、キスの合間にナイトウィングの甘い吐息が漏れた。

 隙間がまったく出来ないほどに抱き合い、熱い口付けを交わす二人を。ロビンは巨大コンピューター前の椅子に座ったままじっと見つめていた。

 自分という人格はこちらにいるのに、目の前で自分の体とナイトウィングが抱き合っている。まるでポルノを見ているような気分でもあり、それはとても奇妙な感覚だった。
 だが、その奇妙さに不快を覚えるよりも、想像以上に激しく興奮している自分も自覚していた。
 両足の中心に集まった熱量を発散させたいのだが、この体は自分の物ではないという意識からか、自分でソコに手を伸ばすことができなかった。
 不自然に前屈みになり、両足をこすり合わせる。そんなロビンの様子に気づいたブルースが、ナイトウィングに何かを囁いた。
 始めは、少し戸惑いを見せている様子のナイトウィングだったが。ニ、三言葉を交わすと顔を赤らめこくりと頷き、ロビンが座る椅子の前に跪いた。
「・・・・ディック・・・?」
 ロビンが不思議そうに声をかけると、ナイトウィングは少し照れたような表情でにこりと笑い。
「辛いんでしょ?僕が、手伝ってあげる・・・」
「っ!?」
 ナイトウィングはそっとロビンのベルトを外し、コスチュームを脱がしていく。体にぴったりとフィットしたスーツを脱がせていくと、硬くなったソコが勢いよく立ち上がる。
「う・・・あ・・・・・」
 ロビンが恥ずかしさのあまり両腕で顔を隠すと、ナイトウィングは優しく微笑みソコに手を添えて先端にキスをした。
「可愛い・・・」



「うくっ・・・!うっ・・・!!」
 巨大コンピューターの前の大き目の椅子。そこに深く座っているロビンが、時折びくびくと震え、眉間に皺を寄せたまま己の唇を噛んで声を押し殺す。
「・・・・んっ・・・」
 そんなロビンの前に跪き、彼の中心に舌を這わせ・・・そこから口を外すと、掌でソコをそっと握りこみゆるゆると優しく扱く。そしてナイトウィングは満面の笑みを浮かべ囁いた。
「ブルース、我慢しないで・・・?」
 ナイトウィングの手の動きに、ロビンはたまらず喉を反らせる。後頭部を椅子の背もたれにこすり付けるようにして横に振り。
「っ、だ、めだっ・・・っ。こ、んな・・・っ!」
 勢いで始め、自分からナイトウィングにキスをしてしまったものの。流石にこの状況はいけないと、理性と本能の狭間で揺れ動くロビンの姿をしたブルースに、ブルースの姿をしたティムが囁く。
「ブルース、体が僕だからって我慢しなくて良いんだよ?・・・僕も、我慢しないから・・・」
「・・・なっにっ・・・?」
 ぎゅっと瞑っていた瞳をゆっくりと開けると、微笑む自分が自分を見下ろしている。

 ロビンの目の前に立つブルースは、視線をさらに下へ動かし・・・二人の間に跪き、ロビンに奉仕しているナイトウィングを優しい瞳で見つめ。
「ディックも、辛いんじゃないの?」
 膝立ちになっているナイトウィングを背後から包み込むように抱きしめ、ブルースはナイトウィングの中心へ手を伸ばす。
「えっ・・・?あぅっ!!」
 ブルースがソコに触れた瞬間、ナイトウィングは手にしていたロビンのソコを包む掌に力を入れてしまった。
「くあっ!!」
 急に強い刺激を与えられ、ロビンが悲鳴を上げる。
「ディック、僕の体は好きにしていいけど・・・酷くしないでよ?」
 くすくすと笑いながら、ナイトウィングの耳元で囁くブルースは。彼の中心やわやわともみしだきながら、彼の身を守るようにしっかりと包み込んでいる漆黒のコスチュームを背中から開放してゆく。
「あっ・・・だっ、めっ・・・っ・・・ティムッ・・・」
 露になった白い背中に音を立てながら何度も口付けを落とされ。その度に、ナイトウィングの体が震える。
「ほら、ディックはブルースをいかせてあげて?凄く辛そうだよ」
 ナイトウィングのコスチュームを脱がせつつ、ティムが言ったとおり。ロビンは椅子の肘置きの上で拳を強く握り締め、荒く肩で息をし・・・眉間には深く皺を寄せ、額には大粒の汗も浮かべている。
「あ・・・・・・」
 それを見て、ナイトウィングは爆発寸前のロビンのモノを口に含んだ。
「くっ!あっ!!ああああああ!!!!」
 その瞬間、ロビンは大きく背を反らせ・・・ナイトウィングの口の中に大量の欲望を吐き出した。
「うぐっ!!んっ!!くっ・・・・」
 吐き出されたロビンの欲望を、ナイトウィングはすべて飲み干し。中に残っている分もすべて絞りつくすかのように強くソコを吸い上げた。
「あっ・・・ああっ・・・」
 ずっと我慢していた分、達した快感はとても強く。ロビンは焦点の定まらない瞳で宙を見、体をびくびくと痙攣させていた。



「ああディック・・・飲んでくれたんだね、嬉しいよ・・・」
 ロビン自身から口を離し、吸い上げた物を飲み下したナイトウィングに、ブルースは優しく囁き、肩越しに口付けを落とした。分厚い舌がナイトウィングの唇を舐めると、それだけで彼は甘い声を上げ体を震わせる。
 ブルースはナイトウィングのコスチュームを膝まで下げ・・・
「えっ?あっ、やっ、こんな・・・」
 ロビンが座る椅子の肘置きに両手をつかせ、尻を突き出す体勢をとらせる。口では抵抗を見せるが体の方は新たな刺激を求めているように薄紅色に染まり・・・まるで誘っているようだった。
「・・・凄く、素敵だよ・・・ディック」
 ブルースの中にいるティムはごくりと喉を鳴らす。欲望のままにその体を貪りたかったが、そこはぐっとこらえ・・・・形の良い双丘に手を添え、割り開き、その中心に息づく蕾に舌を伸ばした。
「あぁっ・・・」
 途端あがる甘い声。ブルースは夢中になってそこを舐めた。
「あんっ・・・あっ、もっ・・・」
 ナイトウィングが腰をくねらせ、ねだる様な視線をブルースに向ける。それに気づき、そこから口を離したブルースは意地悪く笑い。
「どうしたの?」
 尋ねている間も、その手はゆるゆるとナイトウィングの尻を撫でている。
「あっ・・・やぁっ・・・・」
 びくびくと体を震わせ囀る青い鳥を、ぼんやりと見上げていた駒鳥の意識が徐々に放心状態から開放されていく。
 目の前で揺れる黒く長い髪。その向こうに小さく立ち上がった突起を見つけ、ロビンはそこをきゅっと摘み上げた。
「ひあっ!!」
 意識していなかった場所へのいきなりの刺激に、ナイトウィングが悲鳴を上げ背を反らせた。
「あっ、あっ・・・だ、めっ・・・」
 ロビンが椅子の上で体を下にずらし。片方は手で、片方は唇で。小さな突起に刺激を与え、空いている方の腕でナイトウィングの上半身を抱き寄せる。
 そのせいで、ナイトウィングの体勢は、ブルースに向かってさらに腰を突き出すような形になり、そして・・・
「っ・・・ブルース・・・」
 ロビンの行動に、ブルースが口元に笑みを浮かべ身震いする。まるで、早く入れてやれとでも言うかのようにグローブをしたままの手が・・・見せ付ける様にナイトウィングの尻を掴みソコを広げていたのだ。
 さらに、ナイトウィングも嫌がるそぶりは見せず。椅子の背もたれに両手を付き、肩越しにブルースをちらりと見やり、唇を舐めた。
 そんな姿を見せ付けられた状態で我慢ができるほど、ティムの精神は大人ではない。急いでベルトを外しブルースの大きなソレを取り出すと、ナイトウィングの広げられたソコへ自身をあてがった。
「ああ・・・ディック、ディック・・・」
 早くソコに入り込みたいのに、気持ちが焦ってうまくいかない。確かに体はプレイボーイのブルースのものだが、その人格はまだ経験の少ないティムのものだ。
 そんな初々しいブルースの行動に、ナイトウィングは自然と笑みをこぼす。
「だいっ、じょうぶ、落ち着いて・・・」
 胸に与えられる刺激に、時折体を震わせながらも。優しく囁きブルースの大きなソレに手を添え、導く。
「そ、う・・・ゆっくりっ、あわてっ、ないっで・・・っ」
 徐々に大きなソコが体内へと侵入してくるのを感じ、声が震える。ナイトウィングは、胸に愛撫を続けていたロビンを抱きしめ衝撃に耐えていた。



「んくっ・・・んっ・・・」
 教えたとおり、酷くゆっくりとした動きでブルースが押し入ってくる。ナイトウィングは抱きしめていたロビンに唇を奪われ、さらに体を震わせた。
「あっ!・・・ああああっ!!」
 狭く熱い壁に自身が包み込まれる感覚に、ブルースの方が甘い声を上げる。
 それを聞いて、ナイトウィングは肩越しにブルースの表情を覗き見ようとしたが、ロビンの口付けによって阻止された。
「んぅっ」
 少し責める様な目線をロビンに向けると、目の前の少年はその見た目にそぐわない表情で笑みを浮かべ、ブルースのモノが全てナイトウィングの中に納まったところを見計らい。
「ディック。私が全て入ったぞ?わかるか?」
「っ!!?」
「うわっ!!」
 ナイトウィングの耳元でロビンが意地悪く囁く。途端、ナイトウィングの顔が真っ赤に染まり無意識の内に体内にあるブルース自身を締め付けた。
 それによって、ただでさえ初めての経験に身を震わせていたブルースが情けない声を上げる。
「ディ・・・ク、ダメ・・・そんな、締め付け、ないで・・・」
 肩で大きく息をしながら、ブルースが切れ切れに言うが。ナイトウィング自身も体内の大きなモノの感覚に身悶えていた。さらに、間近で自分を見つめる二つの瞳。
「あ・・・ぁ・・・・みないっ、で・・・ブルー、ス・・・」
 目の前にいるのはロビンだが、その中の人格はブルースだ。今、ナイトウィングはブルースの体でティムに犯され、ロビンの体でブルースに視姦されている状態だ。
「あっ!!ああっ!!」
 ロビンの視線から逃れるように、目を伏せ頭を垂れて震えていたナイトウィングだったが。急に甘い悲鳴を上げて顔を上げる。
「ティ、ム!ティムッ、だ、めっ!あうっ!!」
 締め付けに慣れてきたブルースが、腰を動かし始めたのだ。
「ごめんっ、ごめんディック・・・っ、がまん、出来ないっ・・・!」
 しかも、徐々に段階を踏んだ動きではなく。はじめから激しく突き上げてこられ、ナイトウィング自身を支える腕にも力を入れられず・・・ロビンに体を預ける体勢になった。
「私に犯されるのが、それほど良いか?」
「あっ・・・ああっ・・・そ、んなっ・・・!!」
「うっ!ああっ!!」
 体を預けてきたナイトウィングの頭を優しく撫で、ロビンが囁く。その言葉にナイトウィングは体を震わせ、その後ろでブルースも嬌声を上げた。
「うぁっ・・・うっ・・・」
 びくっびくっと震えているナイトウィングを撫でながら、ロビンがブルースに向かって一言・・・
「私はそんなに早くないぞ・・・」
 不満げに言われた言葉に、ブルースは恥ずかしそうに苦笑する。
「・・・っはぁ・・・だって。ディックの中、熱くて、狭くて・・・すっごい気持ち良いんだもん・・・我慢なんて、出来ないよ・・・」
「あっ・・・」
 まだ、中に納まったままで背後からナイトウィングに抱きつき、ブルースはゆるゆると腰を揺らす。
「でも・・・何回でも、出来そう・・・」
 繋がったまま第2ラウンドを始めそうな勢いのブルースに、ロビンは苦笑する。その気持ちは嫌と言うほどわかっている。わかっているのだが・・・
「ティム。私はずっとお預けか?」
 その言葉にナイトウィングはもちろんの事、ブルースも驚いた顔をする。
「え・・・それって・・・」
 そう声を出したのは、ブルースの姿をしたティムだった。
 今、こうやってディックを抱くことが出来るのは、ブルースの体だからだと思っていた。自分の体がさせてもらえるのは、せいぜいフェラ位だろうと・・・
 だから、今。ロビンが言った言葉の真意を計りかねていた。
「『自分がディックを犯しているところを見てみたい』と言ったのは、お前だろう?」
 そこで、はじめに自分が言った言葉を出され・・・ブルースの中のティムはニヤリと笑う。
「・・・見せて、くれるんだね・・・」
「あっ・・・く、う・・・」
 腕の中のナイトウィングをロビンに預けブルースが身を引くと、体内に納まっていたものがずるりと抜ける感覚に、ナイトウィングが声を漏らした。
 そして、ブルースからナイトウィングを受け取ったロビンは、座っていた椅子のレバーを引き水平に倒すと。その上にナイトウィングを寝かせ自分はさらにその上に覆いかぶさるようにしてその唇に口付けを落とした。
「んっ、あ・・・ブル、ス・・・じょう、だん・・・」
「を、言っているように見えるか?」
 ロビンは楽しそうに答えながら、口付けの位置を徐々に下へとずらし・・・胸の突起をきゅっとつまんだ。
「っ!!」
 途端、ナイトウィングの体が跳ね上がる。
「それに、お前だって逝きたいんだろう?」
「あうっ!!」
 意地悪く言って、ロビンはグローブを外すと。まだ解放されていないナイトウィング自身をその手で包み込んだ。
 ゆるゆるとそこを扱きながら、もう片方の手では器用にロビンのコスチュームを脱ぎだし。ナイトウィングの足に引っかかったままだった、彼のコスチュームも脱がし。最後に互いのマスクを外してロビン・・・ティムは大人びた表情でにやりと笑った。
「慣らす必要は・・・なさそうだな・・・」
 ディック自身を達しない程度に力をこめて握り、扱きつつ。彼の奥まった場所を見つめティムが言う。
「や・・・ダメっ・・・ダメ、だよ。ブルース・・・」
 ティムの手の動きに、時折声を詰まらせつつディックが頭を横に振り言うが・・・
「僕の体は、気持ちよくなっちゃいけないの?」
 不意にブルースがディックの頭を優しく撫で、額にキスを落とし尋ねてきた。
「それに、確かに体は僕だけど・・・中にいるのはブルースなんだよ?」
「そっ・・・れは、わかって・・・あっ!!」
 急に、高い声を上げディックが背を反らす。何事かと、ブルースが顔を上げると、ティムがディックの片足を担ぎ上げるように己の肩にかけ、中心に自身をこすり付けていた。
「ブルースッ・・・!!」
「すまないディック・・・私も、限界なんだ・・・」
 言うが早いか。額に汗を浮かべ、申し訳なさそうな顔をしたティムが・・・持ち上げた足に頬ずりをしてゆっくりと腰を進めてきた。



「あっ!ダメッ!ダッメッ!!」
 ゆっくりと中へ入ってこようとするティムの動きに、ディックは体を捻り逃げようとする。だが、片足の上に乗られ、もう片方の足はしっかりと抱え込まれ。さらに、先ほどからさんざん嬲られている体では思うように力が入らず逃げ出すことが出来ない。
「デック・・・そんなに僕とするの・・・嫌?」
 必死に逃げようとするディックの様子に、ブルースがその手を握り切なそうに尋ねた。
「・・・僕の事・・・嫌い、なの?」
「ッ!ちがっ、そうじゃ、なイッ・・・あっ!!」
 今にも泣き出しそうな表情で言われ、ディックは必死で言葉を続ける。
「ティムッ・・・初めて、なんだ、ろ?」
 その言葉の意図に気づき、ティムの体をしたブルースは動きを止める。限界とは言ったが、理性的に我慢ができない状態でもない。
「は・・・初めての相手がっ、僕だ、なんて・・・」
 目を伏せて、申し訳なさそうにいわれた言葉にブルースがきょとんと言う表現がしっくりと来る表情を浮かべ、その直後、苦笑に変わった。今更、この可愛い兄弟子は何を言い出すのだろう、と。
「初めてだから、ディックがいいんだ・・・」
 愛しさをこめてその唇へキスを落とす。
「本当に・・・僕なんかで・・・」
「ディックじゃなきゃ、嫌だ」
 しっかりと目を見て言われ、ディックの顔が赤く染まる。
「ね、いいでしょ?」
「・・・で、私はいつまで待てば良いのかな?」
「あ・・・」
 ディックの片足を抱えたままだったティムが苦笑交じりに言うと、ブルースとディックも顔を見合わせ、苦笑した。
「あ〜・・・でも・・・」
 まだ渋る様子を見せるディックに、今度はティムとブルースが顔を見合わせる。
「僕、男とはブルース以外としたこと・・・ないんだけど・・・」
 恥ずかしそうに言われたその言葉に、ティムもブルースも嬉しそうに微笑んだ。



「あっ!!あぅっ!!そっ、こっ・・・すごっ・・・!!」
 ティムに片足を抱えられ、突き上げられるたびにディックの口から甘い声が漏れる。
「ふふ・・・今お前を犯しているのはティムなんだぞ?」
「やっ!!あぁっ!!」
 確かに体はティムのものだが、その人格はディックの体を知り尽くしているブルースだ。サイズは小さくなってはいるものの、的確に最も感じる場所を攻められディックはなす術もなく快楽に溺れていった。
「ねぇ・・・ディック・・・」
 ティムに攻められ、声を上げているディックの頭をなで、ブルースが声をかける。
「ディックのそんな姿見てたらさ・・・こんなになっちゃったんだ」
 優しい声で囁き、ディックの眼前にブルースの大きなモノを突き出す。
「・・・舐めて?」
「あ・・・ああっ・・・」
 ディックは嬉しそうに、それにそっと手を伸ばし支える。愛おしそうにそこへ何度もキスをして、根元からゆっくりと舐め上げる。片方の手で球を揉みながら、もう片方の手でソコを支え、ゆっくりと口に含んだ。
「ディック・・・くぁっ・・・」
 普段は絶対に見られない方向から、自分自身を丁寧に舐めるディックの姿に。視覚的にも追い上げられ、ティムが声を上げる。
 そして、ディックもまた体を震わせ限界が近いことを知らせていた。
「あっ!あっ!!ブルースッ!!イクッ!!イッちゃッ!!!」
「くッ・・・うぁっ・・・!!!」
 ティムの片腕はしっかりとディックの太ももを抱え、もう片方の手はディック自身をしごき上げ、二人はほぼ同時に達していた。
「・・・ブルースだって、早いじゃないか・・・」
「お前の体だからな」
 ディックの舌使いにうっとりとしていたところを中断させられて、ブルースが皮肉をこめて言うも、それは軽く返されてしまう。
 ゆっくりと体を引いてデックから離れたティムは、手についたディックが吐き出したものを綺麗に舐め取り飲み下すと、ディックを優しく抱き上げ囁く。
「まだ、足りていないだろう?」
 その言葉に答える代わりに、ディックはティムに触れるだけのキスをした。それに、ティムはニヤリと笑い。少し不貞腐れている様子のブルースに・・・
「ティム、ここにで仰向けになりなさい」
 と、命令をする。
「・・・?」
 何故?と思いつつも言われるままに、先ほどまでディックが横になっていた椅子の上に仰向けになると、すぐさまディックが覆いかぶさり深く口付けてきた。
「んっ!!?」
 驚いて目を見開くと、妖艶に微笑むディックがゆっくりと腰をおろし。
「あっ・・・ああああ!!!!」
 どちらが上げた声か、ブルースの中のティムにはわからなかった。仰向けに寝ている自分をまたいで、自身を胎内に咥え込み、上体をそらせているディックの姿は・・・とても美しいものに思えた。
「・・・Wow・・・」
 荒い息を吐きながらも、思わず歓喜のため息を漏らすと。ティムがディックの背にキスの雨を降らせながら、
「ディックはこれが好きなんだ。存分に、味わいなさい・・・」
 とニヤリと笑い。その言葉を合図にしたかのように、ディックがゆっくりと腰を揺らし始めた。



 ディックが妖しく微笑むのを、ブルースは恍惚とした笑みを浮かべ見上げていた。
 自分の上で腰を揺らし囀る憧れの青い鳥は、今まで見た(と言ってもそれほど数はないが)どのポルノ女優より美しくエロティックだった。
 もっとこの表情を見ていたいと思うと同時に、もっと深く貪りたいと言う欲望も湧き出てくる。
 初めは何をされるのかわからず投げ出していた両の手を、ディックの腰に添え、そろりと突き上げた。
「あっ!!ひゃんっ!!」
 途端、ディックの口から先ほどまでの余裕の声とは違う、甘い嬌声が漏れる。
「あぅっ!ティムッ!!あっ!!いっ!!」
 その甘い声をもっと聞きたくて、徐々に突き上げを激しくしていくと。不意に、ディックが覆いかぶさるように倒れこんできた。
 何事か?と思っていると、ディックも不思議そうな顔をして後ろを向く。
「・・・ブルース・・・?」
 不安げな声でディックが背後にいる人物、ティムの姿をしたブルースの名を呼ぶ。
 ティムは己を扱きながらにこりと微笑みディックに覆いかぶると、自身をディックとブルースの繋がった場所へと擦り付け始めた。
「ひゃうっ!!」
「うっわ・・・」
 ティムのいきなりの行動にディックとブルースはそれぞれ同時に声を上げたが、その意味はまったく違っていた。
 ブルースは肉体的にも視覚的にも刺激的なこの状況で、新たに与えられた刺激に身悶えていたのだが。ディックはどちらかと言うと怯えているような視線をティムに向けていた。
「ブルース・・・まさ・・・か・・・」
 途切れ途切れに声を出すディックにティムは優しく微笑み、
「ティム、しっかりとディックを押さえていなさい・・・」
 さらにその向こうで、眉間に皺を寄せぎゅっと目を瞑っていたブルースに声をかける。
「う・・・うん・・・」
 何をするのか、いまいちわかっていないブルースだったが、言われるままにディックの背に腕を回し、しっかりと抱きしめる。
「あ・・・ヤ・・・・・・ダメ・・・」
 なおも怯えた声を上げるディックに、ティムは優しく深い口付けを落とし、そのまま・・・
「ーーーーー!!!!」
「くぅあっ!!」
 ディックの悲鳴はティムとの口付けで声にはなっていなかったが、ブルースの肩に添えられていた手に力が入り爪が食い込む。その痛みと自身への締め付けがさらにきつくなった事により、ブルースも声を漏らしディックをさらにきつく抱きしめた。
「く、う・・・流石に、きついな・・・」
 そう声を漏らしたのは、ブルース自身が納まっていたディックの胎内に、さらに自身を突き入れたティムだった。
「・・・・動くぞ・・・」
「あぐっ!!うっ!!」
「すごっ・・・」
 そう静かに言って、ティムが腰を引くと、また、ディックとブルースが声を漏らす。
「ブルース!ブル、スッ!!む、り!!裂け、る・・・ッ!!!あひっ!!」
 ディックは自由になる頭を弱々しく左右に振り悲願するが、ティムはクスリと笑うと、ゆるゆると腰を動かしながらディックの背中をべろりと舐め上げ。
「お前の体は、そうは言っていないぞ・・・?」
 と楽しそうに言う。
 ディックのソコはすでに一人ずつではあるが二人を受け入れ、その二人分の体液で十分に濡れており。一度胎内に入ってしまえばそれが潤滑剤となり、ティムの動きを助けていた。
 さらに、ティムの言葉を肯定するかのように・・・ディック自身はティムとブルース、二人のモノを咥え込みながらも萎えておらず。ブルースとの体の間で、しっかりと存在を主張していた。
「ディック・・・ディック・・・僕も、動いても、良い?」
 それまで、じっと自身を締め付けるきつさに耐えていたブルースが、ディックに小さく何度もキスをしながら尋ねた。
「あっ・・・ああっ・・・」
 だが、すでにディックは喉の奥から絞り出すような声しか出せずに、ブルースの胸にすがりつくようにしてティムの動きに合わせて体を揺らしていた。
「動いてあげなさい。その方が、ディックも喜ぶ・・・」
 そっと背後からディックを抱き起こしたティムがそう言うと、ブルースもにこりと微笑みディックの腰を支え下から突き上げた。
「ひああ!!」
 途端、ディックは悲鳴をあげて体を仰け反らせた。だが、すぐ後ろにはティムがいて体を自由に動かすことも出来ない。
「あっ・・・ああっ・・・も、らめっ・・・壊れ、る・・・」
 たった一度の突き上げで、ティムに体を預けびくびくと痙攣させていたディックが声を絞り出す。
 口ではそう言っているものの、その体は貪欲に快楽を貪っている様で・・・二人のモノを咥え込んでいるソコは味わうように時折締め付けをきつくし。腰もゆるゆると動いていた。
 ブルースとティムは顔を見合わせ、ニヤリと笑うと。ブルースは目の前にあるディック自身をやんわりと握りこみ扱きながら。ティムはディックの背中に何度もキスを落とし、腕は彼を抱きしめるように前に回して胸の突起を摘み上げ。互いにタイミングを合わせ腰を突き上げ始めた。
「あひっ!!あああ!!!!」
 中で二本のモノが動く感覚に、ディックがさらに悲鳴をあげる。苦しくて仕方がないのに、それ以上の快楽がただでさえ薄くなっている思考をさらに奪っていく。
 そしてとうとう、ディックの理性の鎧が完全に崩れ去った。
「・・・ッと・・・」
「・・・ん?どうした・・・?」
 荒い呼吸とともに吐き出された声を微かに聞き取り、ティムが尋ねる。
 すると、ディックは自分の胸の突起をいじっていたティムの手をとり、その指をべろりと舐めて。
「もっと!・・・突いてっ・・・中、掻き回してぇっ!!」
 ディックは涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔で、更なる快楽をねだる。
「ひぁっ!!僕、をっ!めちゃくちゃに、してぇ・・・っ!!!」
 それを聞いて、驚いたのはティムの姿をしたブルースだった。今まで、確かに淫らに自分を求めることはあったが、ここまで理性を完全に崩し去った姿はそうそう見たことがなかったからだ。
「フフッ・・・ティム、初めてでこれを味わってしまったら・・・もう、他に手は出せないぞ?」
 ディックの背後から、彼の首筋を舐め上げそういうと。ブルースの姿をしたティムも負けじとディックを突き上げ。
「他なんて、いらない・・・っディックだけで、いいッくっあっ!!」
 限界が近いのか、下から突き上げるブルースの腰の動きが徐々に早まる。それにつられ、背後から突き上げていたティムも、徐々に動きを早めていった。
「あっ!ああっ!!だめっ!!イッ!!!!」
 ディックの悲鳴じみた声に、まずブルースが。直後にティムがディックの中で達し。それに押し出されるようにディックもブルースの腹の上に白濁をぶちまけた。

「はぁっ・・はぁっ・・・・もう、終わり・・・?」
「・・・まさか・・・」
 二人のケダモノは、腕の中でびくびくと震える放心状態の獲物を前に、顔を見合わせニヤリと笑った。






「サイッテー」
 次の日、ものすごく機嫌が悪くなっているディックにブルースもティムも近づけなかったのは言うまでもない。
 部屋に入ろうとすると、(練習用のゴム製のものではあるが)バッタランが飛んでくるのだ。
 二人は暫く、どうやってディックの機嫌を直すか真剣に考えていたと言う。



END

                                 2008/09/24




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