それは、行方不明になったアトムこと、レイ・パーマーをドナ、カイル、ジェイソン、ボブの4人で探している時の事。 スーパーパワーを持つ3人は、長時間動き回っていてもそれほど疲れることはなかったが・・・ただの人間であるジェイソンはそうもいかない。 表面上、平然を装っていた彼の疲労を読み取ったドナが、それとなく休憩する事を提案し、その日の夜は近くにあったホテルに泊まることにした。 「何でお前と同室なんだよ・・・」 マスクを外していたジェイソンがベッドに腰掛けたまま不服そうに言うと。 「仕方ないだろ?部屋が空いてなかったんだから」 グリーンランタンのコスチュームではなく、私服のカイルが軽く肩をすくめて言い返す。 その日泊まる事になったホテルはほぼ満室状態で。流石にレディのドナと自分達が同室になる事は出来ない。と、どうにか2部屋だけ取ることができた。 ボブは何やら用事があると言って出て行ったきり、おそらく朝になるまで帰ってこないだろう。 別に男同士、同じ部屋で寝泊りするのはかまわない。 ただ、本当に漸く取れた部屋だったので。 「ベッドは俺が使うからな」 「え〜、僕だってベッドがいいよ」 与えられた部屋には、シングルサイズのベッドが一つだけだった。 「お前、その指輪で何でも作れるんだろ?だったらベッド作ってそれで寝りゃいいじゃねぇか」 ジェイソンは座っていたのをいい事に、そのままぼふっとベッドに倒れこんで枕に顔を埋めた。 「そんなの、僕が眠って意識がなくなったら消えちゃうんだから意味ないだろ?おい、シャワーくらい浴びたら?」 カイルはジェイソンに言い返し、そのまま寝てしまいそうな彼に呆れて言うが。 「いらね、俺は寝る」 ジェイソンは頑として動かない意を示すためか、靴を脱いで本格的に寝る体勢に入っていた。 そんな子供のようなジェイソンの行動にカイルは大きく溜息をついて。 「・・・Okey.じゃあ、僕はシャワー使うよ。トイレ使いたくなっても知らないからね」 バスルームのドアノブに手をかけて言うが、ジェイソンは頭を上げずに手をひらひらとさせるだけだった。 カイルがバスルームに消えて暫くして。シャワーの音が聞こえ始めた頃に、ベッドに突っ伏していたジェイソンがのそりと体を動かした。 音を立てないようにベッドから降り、静かにバスルームへと近づく。 ドアノブに手をかけて、鍵がかかっている事に気が付いたジェイソンは小さく舌打ちをした。 「チッ・・・用心深いこった」 毒づきながらも慣れた手つきでロックを外す。 バットマンの元でディテクティブの修行をほんの少しとはいえしていたし、幼い頃はそういう事で生計を立てていた事もあったのでこの程度の簡単なロックを外すなど他愛もないことだった。 鼻歌を歌いながらシャワーを浴びている相手に気付かれないように、そっと中に入り、無造作に置かれた衣類を手に取って"ある物"を探す。 シャツやズボンのポケットをくまなく探したが、目当てのものは見つからない。流石に、下着に包んだりはしないだろう、とそこには手を出さなかった・・・というか、『野郎の下着なんぞ触りたくもねぇ』というのが本心だったが。 暫くごそごそとしていて、ふと、視線を感じ・・・ヤバイと思いながらゆっくりと頭を上げる。 「何やってるのかな?」 案の定、視線の先にはバスタブの淵に両肘を置き、頬杖をついてこちらの様子を面白そうに見ている男。その右手の中指には目当てのグリーンの光を放つ指輪が。 「くっ・・・そいつをよこせ!!」 こっそりと盗み出して・・・と考えていたが、見つかってしまったら仕方がない。"指輪"を力ずくで奪い取ろうとするが、そんな事ができるはずもなく。 「チクショウ!卑怯だぞ!!」 緑色のロープに体を巻かれ宙吊りにされた状態で、ジェイソンは唯一自由になる足をばたつかせて喚いた。 「泥棒しようとしてた人が何言うかな」 カイルはそれに頭を軽く押さえて溜息をつく。 「バスタイムくらいは外してると思った?生憎、用心のために肌身離さずつけてるよ」 こういう事もあるからね。と、顔をつき合わせるようにして言われて、ジェイソンは悔しそうに歯軋りをした。 「さて、この泥棒さんをどうしてくれようか」 ジェイソンを吊り上げている緑のロープはカイルの指輪に繋がっている。彼が軽く手を上下に揺らすと、縛られたままのジェイソンの体が大きく上下に揺れた。 「うをっ!?ちょ!やめっ!!」 地面に足がついていない不安定な状況で揺さぶられれば、酔って気持ち悪くなるのは当然で。漸く大人しくなったジェイソンをそのままに、カイルは左手を顎に添えてしばし考える。 「あ、そうだ」 そして、良い事を思いついた。と可愛らしい笑みを浮かべたと、揺さぶられて頭がくらくらしている状態のジェイソンが認識した次の瞬間。 「せっかくこっちにきたんだから、君もシャワー浴びちゃえば良いよ」 言葉の意味を理解して抵抗する間もなく、あっという間に丸裸にされ。そのままバスタブに突っ込まれ、バスソープをかけられて。 「じゃーん。グリーンランタン特製ボディブラシ〜」 語尾に音符でもついているんじゃないか、というくらい楽しそうな口調で。指輪の魔法で作り出したのは、特大のボディブラシ。 「ぎゃー!!!」 まるで犬でも洗うかのようにそれでごしごしわしわしと擦られ、ジェイソンが悲鳴を上げる。 だが、流石に傷つけたりする気は無い様で。 ブラシの毛はちょうど良い固さで、擦られているとむしろ気持ちが良い。 あまりの気持ちよさに、まずいと思った頃にはもう遅く。 「あっ・・・っ!!」 ブラシが胸を擦った時、思わず"そういう声"を上げてしまった。 慌てて両手で口を押さえるが、出してしまった声を取り消す事などできるわけもなく。 「洗ってただけなのに・・・。何?そんなに気持ちよかった?」 「・・・っ」 口を押さえつけたまま睨みつければ、カイルの視線が自分の顔より下の方に向いていることに気付き、自分もその視線の先を追いかけ。 「・・・!!!!」 見られていたものに気付いて、慌てて少し頭を上げている"息子"を両手で押さえつけるように隠した。 「体がBIGだとそっちもBIGなんだねぇ」 しみじみとそんな事を言われて、流石に恥ずかしくなって一発殴ってやろうと体を動かそうとしたが、それよりも早くカイルが作り出した緑色の枷に両手を取られ。 「まだ途中なんだから。ちゃんときれいに洗ってあげるよ」 身動きが取れないまま、体の彼方此方を洗われて、そのブラシの感触に身悶える。 「ん、あっ!・・・っ」 確かに気持ちが良い、気持ちが良いのだが。 「くっそ・・・」 刺激を与えて欲しい場所には一切触れられず、ジェイソンは毒づいた。だが、自分から触って欲しいなんて言える訳もない。 知らずに揺らしてしまいそうになる腰を、頭の隅に残った残り少ない自制心が何とか押さえ込んではいたが。とうとう・・・。 「Wow...よっぽど溜まってるんだね」 完全に立ち上がったジェイソン自身の大きさに驚きながらも、カイルはからかうようにいってそれを指先で軽く弾いた。 「くあっ!!」 先ほどまで散々じれったい刺激しか与えてもらえていなかった体は、痛みを伴うそんな刺激でさえはじけてしまいそうになる。 「ブラシで体を擦っただけでそうなるんだったら、電動歯ブラシとかだったらどうなっちゃうかな?」 カイルは、子供のような無邪気な笑みを浮かべると、ビクビクと体を震わせているジェイソンの目の前に、緑色の電動歯ブラシを作って見せた。 「なっ!?や、ヤメっ!」 ジェイソンは歯ブラシ(電動)がモーター音を鳴らしながらゆっくりと近づいて来るのを、嫌がってはいるがどこか期待のこもった視線で見つめながら身を捩る。 「ヒッ!あっ!あっ・・・っ!」 胸で少し固くなり始めていた突起を擦ったり、潰したり、胸筋の溝をなぞってみたり・・・と弄ってみれば。 「あっ!もっ、だっめ、だっ・・・くっ、あっ!!!」 次の瞬間、ジェイソンは体を痙攣させ。弾く程度しか刺激を与えていないのに。自身から白濁を飛ばし、果てた。 「うわっ!?」 まさかそんなにすぐに果てるとは思っていなかったカイルは、体を少しジェイソンに近づけていた。その所為で、勢いよく飛び出したそれが少し体にかかってしまい。 「ちょ・・・早過ぎない?そんなんじゃ女の子に嫌われるよ?」 あ〜あ、と言った感じで少々眉をひそめつつ、軽く言うと。 「し・・・しかた、ねぇだろ・・・久しぶり、だったんだから・・・」 達したばかりで肩で息をしながら、ジェイソンは悔しそうに呟いた。 「え、何。君、普段からこういうプレイする人なの?」 「そういう意味じゃねぇ!!!」 そんなジェイソンの呟きに、わざとそう解釈したように尋ね返し、叫ぶジェイソンの反応にけらけらと笑う。からかわれたと気付いたジェイソンが不貞腐れてむくれる姿に、悟られないように微笑んで。泡や汚れを洗い流そうと、自分の背後にあったシャワーからお湯を出そうとジェイソンに背を向けた。 「ほら、さっさと洗い流して・・・っ」 その隙を突いて、ジェイソンはカイルを後ろから羽交い絞めにする。 「・・・何のつもりかな・・・?」 「俺はな、ヤられるだけヤられて黙ってる性分じゃねぇんだよ」 言いながら、指先でカイルの胸の筋肉をついっとなぞる。 「野郎の体撫で回すなんざ、趣味じゃねぇけ・・・どうわっ!?」 この際仕方ない。と続けるつもりが、それは声にならずに間抜けな悲鳴と変わった。 「まったく、君は学習をしない人だね」 先ほどまで腕の中にいたカイルが、にっこりと笑顔を向けてこちらを見ている。 右手のリングはまばゆい光を放ち、その光によって生み出された触手にジェイソンは絡めとられていた。 「そういうおいたをする悪い子には、お仕置きが必要かな?」 カイルが小首をかしげるとほぼ同時に、ジェイソンを拘束していた触手の先端が蠢きだす。 「おおおおおいおいおいおい!!!こういうの反則じゃね!!?」 流石に"触手に絡まれる"だなんて事は今までに経験した事がなかったジェイソンは慌て、もがき、何とか脱出を試みるが。弾力のあるそれは引きちぎろうにも引っ張れば引っ張るほど伸びるので、それもできなかった。 「そうかな?宇宙にいればそういうことって茶飯事なんだけどね」 ジェイソンの反応を楽しみながら、カイルはくすくすと笑い、触手を操る。 「ちくしょっ、このっ!!」 それでも、口元に運んだ触手に噛み付いたり、相変わらず意味がないのに体に巻き付いている分を引っ張ったり。なかなか折れる様子を見せないジェイソンに、カイルは小さく溜息をついて。 「・・・あんまり反省してないみたいだね」 少し路線を変えてみる事にした。 「やっぱり、見たことがある物の方が良いかな。たとえば・・・」 「うえっ!?」 「Devilfishとか」 突然、今まではただ弾力があるだけだった触手にぬるりとした感覚が加わり、ジェイソンは思わず掴んでいた手を離してしまい。 「な、なっ・・・ちょ、リアル過ぎっ、ひっ!?」 先ほどまではただ物体が体の上を這い回っていただけだったが、今度は粘着質な液体が加わって。掴んで引き離すことが更に困難になった。 「おまっ、触手でタコってどんなエロ妄想してっ、うぁ!!」 「妄想じゃなくて、発想力って言って欲しいな」 せめて言葉で相手を負かそうとするが、ぬるぬるとした感触が体中を這い回り。時に吸盤で胸の突起を吸われたり。まともな思考ができなくなる。 「僕も本物のタコは触った事ないんだけどさ。隊の仲間に似たような人もいるんだよね」 ジェイソンが俯き、小さく震えているのを見ながら。カイルはまるで世間話でもするかのように続ける。 「宇宙はすごいよ。いろんな姿の"人"がいるんだ。凄く、イマジネーションを刺激される」 くすくすと笑いながら、楽しそうに話しているカイルは気付いていなかった。 「ね、君はこっちも触った事、ある?」 大きな緑色のタコは8本の足でジェイソンの全身をくまなく愛撫しながら、カイルの言葉に同調し、ジェイソンの固く閉ざされたその場所へ足を伸ばす。 その感覚にジェイソンの体がびくりと大きく震えた。 確かに快楽によって体を震わせている部分もあった。それと同じくらい。 「ヤ・・・だ。・・・嫌、だ・・・」 今にも泣き出しそうな声を聞いて、ハッとする。 体を捩りながら、タコの足から逃げようとするジェイソンの顔は、確かに恐怖に歪んでいて。 「ヤダ・・・!怖いよ、助け・・・ディッ・・・」 どうやら、ジェイソンのトラウマを刺激してしまったらしい。小さな声で助けを求めるその様子に、カイルは頭を掻いて大きく溜息をついた。 「これじゃ、僕が虐めてるみたいじゃないか」 仕方ない、と言った感じにもう一度溜息をついて。カイルは、ジェイソンをゆっくりと下ろすとタコを消して。 「ほら、もうタコいないから。これに懲りたら、もうあんな事しちゃダメだよ?」 タコを消したと同時に、粘着質な液体も消える。だが、ジェイソンの気持ちを落ち着かせるためにも少し温かめのシャワーで体を流してやり、優しく問いかける。 「・・・・・・。」 暫くの間、ジェイソンは俯いたままだったが。 「えっ!?ちょっ!!」 急に、強い力でカイルを抱き締め。 「ちょっと、じぇいそっ!!??っーー!!!」 一瞬驚いて硬直したが、すぐに引き剥がそうと肩に手を置いた瞬間、カイルは声にならない悲鳴を上げ、ジェイソンの肩に爪を食い込ませた。 「その指輪の魔法、アンタの"発想力"がカギなんだよな」 今、ジェイソンの指はカイルの"胎内"だ。 「こ・・・んな・・・」 ぬるりとした感覚はボディーソープだろう。指を動かされるたびに上げそうになる声を抑え、必死で睨み付けると。 「物考える暇与えなきゃ、こっちのもんだよなぁ」 ニヤリといやらしい笑みを浮かべて、ジェイソンが手を動かすと。それに連動してカイルの体がびくびくと跳ねた。 「ひきょう・・・」 「何言ってんだよ、弱点を突くってのは指輪の魔法とかよりよっぽど正攻法だぜ?」 そう言っている間も手の動きは衰えるどころか、更に激しく中を掻き回す。 次第にがくがくと震えだす足を必死に支え。カイルは、やっぱりこの男もあの蝙蝠の弟子だ。と快楽に溺れそうになる頭のどこかで考えたが。それもすぐに霧散した。 ジェイソンの指は、初めはただその場所を乱暴にかき回しているだけだったが。しだいに、何かを探しているような動きへと変わっていた。 「やっ・・・やめっ・・・ジェイッ・・・ぬいってっ・・・!」 それに気付いて、カイルはジェイソンの腕に爪を立てて止めさせようとするが。 「あひっ!?」 「お?ここか?」 ジェイソンの指先がある一点を突き上げた瞬間、今までにないほどカイルの体が跳ね上がる。 「ヒッ!ヤッ!!ヤダッ!!」 どうにかしてその腕から逃れようともがくが。向き合って抱きついていた体勢から、指は胎内に入れたまま、体を反転させられて。 「言ったろ?俺はヤられるだけヤられて黙ってる性分じゃねぇってよ」 カイルの両手はジェイソンの片手に壁に縫い付けられるようにして押さえつけられ。 「ほら、イイんだろ?このまま指だけでイかしてやるよ」 背後から、先ほどカイルが大きく反応を示したその場所を重点的に突き上げ。時に折り曲げ、ぐるりと回し、掻き回すように激しく指を出し入れする。 「んくっ!んっ!ふっ!んぅっ!!」 カイルはそれに確実に追い上げられて、上がりそうになる甘い声を抑えるのに必死だった。かなり乱暴な動きではあるが、"久しぶり"なのはジェイソンだけではない。同じく行動を共にしていたカイルもそういう発散ができずにいた所為で、ジェイソンの攻めに必要以上に感じてしまっていた。 だが・・・。 「だっめ!・・・っ、ダメ、だっ・・・んっ!!」 ぐちゅぐちゅとかき回される感覚に翻弄されながら、カイルが何とか声を上げると。 「何が、"ダメ"なんだよ。人の指をこんなに旨そうに咥え込んどきながらよぉ」 「くあっ!!」 グイッと押し上げられて、体ががくがくと震える。それでも、ジェイソンの指の動きが止まったお陰で何とか言葉を発する事ができるようになった。 「そ・・・その程度のテクじゃ。僕、を。イかせるなんて・・・。いつまでたっても、出来ない、よ」 壁に手をついて、尻を突き出した体勢のまま。挑発するように艶かしい笑みを浮かべてそんな事を言われ。ジェイソンはムッとすると同時に、その表情に引き込まれそうになり息を呑んだ。 俺は男に興味があるわけじゃないだろう? 頭の中で自分にそう問いかけるが、餓えた体は目の前の艶っぽいカイルの姿に素直に反応してしまっているのも事実で。 「・・・もう、泣いても容赦しねぇからな」 「あっ・・・っ!!」 そう言って後ろから抱きすくめると、カイル自身に手を伸ばし、キュッとそこを握った。 カイルは漸く自身に与えられた刺激に甘い声を漏らし、体を震わせる。それに気を良くしたジェイソンは、更にカイルを煽っていった。 「あっ・・・あっ・・・もっ・・・」 自身や胸に与えられる刺激に、カイルは素直に反応を示し体を小さく震わせる。 限界が近い事に気づいたジェイソンは一度カイルから体を離し。 「・・・?ジェイ・・・」 不思議に思ったカイルがふりかえると、ジェイソンはニヤリと意地悪な笑みを浮かべ。彼の腰を強い力で掴んで、自身をその場所にあてがい。 「天国に、逝かせてやるよ」 「っーーーー!!!!」 熱く猛った自身を一気にカイルの胎内へ突き刺すと。それに押し出されるように、カイルは声にならない悲鳴を上げて自身を弾けさせ、壁を白く汚していた。 「これで、あいこだな」 壁に爪を立て、がくがくと体を震わせているカイルの耳元で、楽しそうにそう囁いて。ジェイソンはゆっくりと腰を引く。 「あっ!?だめっ!!ま、だっ、うごいっ!ひイッ!!」 達した余韻に浸るまもなく、再び突き上げれて、カイルはたまらず悲鳴を上げる。 が。 「まっ、だ、ダメッ!ってっ!!言ってるだろっ!!!」 「ぐあっ!!」 ジェイソンが奥まで入ってきたと同時に、その場所を思い切り締め上げて。彼の動きを封じた。 それで漸く、一息つくことが出来たカイルは。荒い呼吸ながらも少し落ち着きを取り戻していたが。大事な場所をキツク締め上げられたジェイソンはたまったものではない。 「テ・・・メェ・・・」 涙目になりながら睨み付けると、それに気づいたカイルは・・・こちらも涙目ではあったが・・・ふふんと笑って。 「おあいこで、終わりだろ?」 ジェイソンにとってはこれから!というところだったので、まさかここで終わりと言われるとは思っておらず、目を見開いた。 その、ジェイソンの驚いた様子にカイルは楽しそうにくすくす笑って。 「んっ・・・何、続き、やりたいの?」 「・・・テメェだって、欲しくてたまらねぇんじゃねぇのか?」 「あっ・・・」 笑ったことで少々体が揺れて、カイルが甘い声を少し上げたのに気づいたジェイソンは。いまだ腰を動かすことは出来ないほど締め付けられてはいるが、カイル自身に手を添えニヤリと笑い返す。 「じゃあ・・・あっ、勝負と・・・ん、いこう、か」 それに、カイルは自らゆっくりと腰を揺らしながら提案をする。 「勝・・・負・・・?」 きついゴムで絞り上げられるような感覚に、ジェイソンは眉を顰め、尋ね返すと。 「そ・・・。どっちが、先に。打ち止め・・・に、なるか」 妖しい笑みで出された提案に、ジェイソンは言葉で返事をする代わりに、その腰を掴んで、少し強めに突き上げた。 薄暗い部屋の中、シングルの狭いベッドの上で。 「そ・・・そろそろ、キツイん、じゃ。ないか?」 「そ・・・そっち、こそ。もう、立たないんだ。ろ・・・?」 まるで取っ組み合いの喧嘩をした後のように、荒い息を吐きながら。二人はいまだ互いに牽制しあっていた。 あの後、バスルームでジェイソンはカイルの中に欲望を吐き出し、体を引いた。 勝負と言ってやってはいたが・・・1発抜いて、欲求が満たされればもう反応する事はないだろう。そう思っていたにもかかわらず。 バスタブにしなだれかかり、荒い呼吸を繰り返しているカイルのその場所から。自身が吐きだしたモノが溢れ出し、白い太股をつたって流れ落ちるのを見て。 再び、下半身が熱くなった。 更に、熱に潤んだ瞳で『もう終わり?』とカイルに挑発されて。ジェイソンはカイルを担ぎ上げると体を拭くのもそこそこに、ベッドへと移動した。 この段階で、自分の方が1回多く達している事が気に食わなかったジェイソンは・・・カイルを追い上げるために、ベッドに押し倒した彼のモノを・・・一瞬、躊躇はしたが・・・口に含んだ。 その途端、カイルは嬉しそうにはしたない声を上げて、ジェイソンの頭を手で押さえ、貪欲に腰を揺らした。 カイルにとっては快楽を得る方法でも、ジェイソンにとっては、いきなり喉の奥に突き入れられる形になり。なれない感覚にえづいて涙目になるが。 チクショウ、余裕じゃねぇか。 苦しいと思いながらも、喜んでいるカイルの様子に少々ムカつきを感じ。 先ほどまで自身を咥え込んでいたその場所へ。何の遠慮もなく一気に3本の指を突き入れ、中でぐりっと捻った。 その途端、口の中でカイルは達し、勢いよく喉の奥に熱くどろっとしたモノを流し込まれ。ジェイソンは盛大に咳き込む羽目になる。 さらに、俯いてげほげほとしている間にカイルに押し倒され・・・。 そこからは本能の赴くままに。目の前の相手を自分に服従させる事だけを考えた獣になっていた。 途中でカイルが再びリングの力を使って様々な形の"玩具"を作り出した時はジェイソンも焦りはしたが。 「・・・なんでそんなファンシーな形のもんばっかなんだ?」 その玩具がどれも、クマやウサギやイルカといった可愛らしいと称されるような動物の形を模していたので。返ってくる言葉は大体予想はしていたが、ジェイソンがげんなりしたようにして尋ねると。 「君の雰囲き「それはもういい」」 想像通りの答えにその言葉を遮れば、カイルは楽しそうにけらけらと笑った。 そして。 もう、どちらが何度イったかなんてわからないくらい。互いを貪りあった後の台詞が、先ほどのあれ。 「まだいける・・・けど・・・ちょっと、休憩。喉渇いた・・・」 「・・・賛成・・・」 後ろから、ジェイソンに圧し掛かられた状態でカイルが呟くと。ジェイソンもそれに同意し、のそりとベッドから降りて冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。 「僕にもちょーだい」 「あ?自分でとりに来いよ」 「良いじゃん、投げて」 ベッドの上で寝転がったまま、甘えるように言うカイルに。 「甘えてんじゃねぇよ」 と言いながらも・・・冷蔵庫にはミネラルウォーターがこの1本しかなかったので・・・自分が飲んでいたペットボトルのキャップを閉めて投げて渡す。 そして、自分は再び冷蔵庫を開けて、今度はビールを取り出して一気に飲み干した。 喉も潤し、もう何度目かわからないラウンドのゴングを鳴らそうと思ったが。 「って、寝てるしよ・・・」 ベッドの上の相手は、ペットボトルを抱えたまま、体を丸めた猫のような体勢ですやすやと寝息を立てていた。 近づいて、ベッドに上がり、抱えていたペットボトルを取り上げても起きる気配がないカイルの頬を軽く摘んで。 「おい、俺の勝ちでいいのか〜?」 実際は、すでに勝ち負けにこだわってはいなかったのだが。そんな事を言いながら、寝ている相手を色々いじっていて。 ふと、何故こうなったのかを考えた。 そこで、漸く一番最初にしようとしていた事を思い出し。今ならそれが容易に達成できると気が付いた。 そっとカイルの右手を取って、中指にはめられたリングに手をかける。 初めは、すかした様子のカイルが気に入らなくて。少し困らせてやれと言った感じで指輪を盗んでやろうと思っていたが・・・。 「・・・・・・。」 今はそれもどうでもよくなっていて、カイルの手を離すと、自分もベッドの上で横になってそのまま寝てしまうことにした。 翌朝。 体の大きな異星人に押し潰されそうになっている夢を見て、魘されながらカイルは目を覚ました。 そして、目の前にジェイソンの顔があって、自分の体の上に彼の太い腕が乗っているのを確認して。 夢の原因はこれか。と思い切りその手を押しのけベッドから降りた。 昨夜あれほど酷使したにもかかわらず、カイルはよろける事もなくそのままバスルームに入り、シャワーを浴びて身支度を整える。 洋服もきっちり着込んで部屋に戻ると、漸くジェイソンが起きたところだった。 「チェックアウトまでまだ少し時間あるから。出る前に軽くシャワー浴びた方がいいよ」 寝起きでぼんやりしつつも、言われるままにのそのそと体を動かしてバスルームに消えていくのを確認すると、カイルは大きく伸びをして、ニュースを見るためにテレビの電源を入れた。 END 2009/08/28 |