■Little Protege -Side B-■



 それは、本当に一瞬だった。
 スーパーマンが現れたと思った次の瞬間、キツイ光を当てられて、僕は気を失っていた。

 次に気が付いたときには、僕はケイブの治療用のベッドに寝かされていて。
「あ、良かった。気が付いたんだね・・・」
 と心配そうに僕を覗き込むスーパーマンと目が合った。
「大丈夫かい?気分は?」
 彼は大きな手で僕を撫でてそう訪ねてきた。
 あ〜、スーパーマンに撫でられるのって久しぶりかも・・・
 そんな事を初め考えていたけど、ふと。彼の手はこんなに大きかったっけ?と不思議に思い声を出そうとしたその瞬間。

 べしっ!!

 と、彼の顔に分厚い書類の束が投げつけられた。
「貴様、まだいたのか」
 投げたのはもちろん、ブルースだ。ここにいる人物で、スーパーマンにそんな事をするのは彼しかいない。
「ぶ・・・ブルース・・・僕はただ・・・」
「誰の所為でこんな事になっていると思っているんだ。とっとと帰って貴様は貴様で戻る方法を調べて来い!!」
 ブルース・・・バットマンに怒鳴りつけられ、スーパーマンはしょぼんと項垂れて。
「巻き込んじゃってごめんね?」
 と、僕の頭をまたひと撫でして飛び立っていった。
 巻き込む?一体何の事だろう?そう思っていると、いまだ不機嫌そうなバットマンが傍へとやってきて。
「大丈夫か?気分は?」
 と、スーパーマンと同じように・・・って本人に言ったら怒るから言わないけど・・・尋ねて、僕の頭を撫でてきた。
 あれ?なんかバットマンにも違和感を感じる・・・そう思っていたけど、僕自身は別になんともないから。
「大じょ・・・うぶ・・・」
 声を出して、ものすごい違和感に襲われて思わず口をつぐむ。
 僕はよほど不安げな顔をしていたようで、バットマンは深刻な顔のまま頷き、マスクを脱いで・・・
「っ!?」
「よく聞け、ディック。お前と、私と、アルフレッドは・・・10年ほど・・・若返ってしまったようだ」
 言われて見せられた鏡の中に映った僕もマスクを脱いだブルースも。確かに10年位前の姿で・・・もう一度気を失って、目が覚めたら元に戻っているだろうか?
 だなんてことを思いつつも、僕は苦笑いを返すしかなかった。






 その日の夜。
 小さくなってしまったディックは、ブルースのベッドの中でシーツに包まり不貞腐れていた。
「・・・ディック。いつまでそうしているつもりだ?」
 ディックが潜り込んで丸まっている所為で、広いベッドの真ん中あたりにできた山を撫でながら、パトロールから返ってきたブルースが声をかける。
「・・・なんで連れてってくれなかったの・・・?」
 すると、シーツの中からくぐもった声で返された言葉がこれだ。
 ブルースは胸の内で小さく溜息をついて。
「今のお前は自分の体に慣れていないだろう?」
「それは・・・」
 実際、いきなり体が小さくなったディックはケイブの中のみならず、ウェイン邸の階段や段差で足を踏み外し、何度も落ちそうになっていた。
 その度にブルースに助けられていたので、ディックにはそれ以上言い返すことは出来ない。
「・・・暫くそのままだとして、その体に慣れたら・・・考えないこともないが、な・・・」
 そのまま黙ってしまったディックに、ブルースは独り言のように小さく声をかける。
「・・・ほんとに?」
 それを聞いて、漸くシーツから頭を出して尋ねてくる子供の頭をひと撫でして。
「明日には、元に戻っているかもしれないぞ?」
 少し開いたシーツの隙間に体を潜り込ませ、ディックを抱きこんで。
「さあ、今日はもう遅い。ゆっくりお休み」
 頭を撫でながらその額にキスを落とした。
「・・・おやすみなさい・・・」
 ディックはいまだ不貞腐れている様子ではあったが、ブルースの頬にキスを返し。そのまま彼の腕に体を預け、目を閉じた。
 そして、暫くすると規則正しい寝息が聞こえ。

 漸く眠ったか・・・やはり子供は寝付くのが早い・・・

 などと考えていたのだが。
「・・・・・・。」
 その天使のような寝顔を見ていると・・・ずいぶんと昔に抱いていた感情が蘇ってきていた。
 髪を撫で、頬、肩、背中、腰・・・と手を滑らせて。はたと我に返る。

 私は何を考えているんだ。こんな小さな子に・・・。

 ふぅ、と一つ溜息をついて。心を落ち着かせようと、もう一度天使の頬を指の背で優しく撫でる。
 と、その指先が柔らかな唇に触れ、一瞬動きを止めてしまった。
「っ・・・」
 その指先を、そっと啄ばむ様に小さな唇が挟み込み、ブルースは思わず息を呑んだ。
「ディック・・・悪戯はやめなさい」
 顔色を気取られないように平静を装い、手を引こうとすると。小さな両の手が重ねられ、それを阻止され。
「ブルース、したいの?」
 指先をぺろりと舐めて言われた言葉に心臓がはねる。
「何・・・」
「いいよ・・・?」
 まるであの場所を舐めるかのように、指に舌を這わせた天使は頬を朱に染め、潤んだ瞳でブルースを見つめ。
「僕も、して欲しいから・・・いいよ・・・」
 ゴクリと、喉が鳴る音が酷く大きく聞こえた。
「お、お前は・・・自分が言っている言葉の意味を、わかっているのか・・・?」
 鼓動の早さが、包まれた手から伝わってしまいそうで。手を離して欲しいのに、自らそれを振り払う事もできず。
「わかってるよ・・・。僕、子供じゃないんだよ?」
 言われて、思い出す。今、目の前にいるディックは確かに見た目は子供に戻ってしまっているが、彼自身の年齢はとうに20を越えていた。
「ねぇ、ブルース・・・」
 時間が止まったような気がした。
 頭の中ではさまざまな事を考えていたような気もするが、何を考えていたかも思い出せない。
 体が動かず、息をするのも忘れていたかもしれない。
「ブルース・・・?」
 再び名を呼ばれ、我に返ると。目の前には先ほどと変わらず自分の手を、その両手で包み込んでいる小さな天使が不安げにこちらを見つめていて。
「あ・・・」
「・・・ごめん、やっぱり・・・無理、だよね・・・」
 こちらが声を発するよりも早くディックは視線を外し、そっと手を離して背を向けた。
「こんな子供じゃ、そういう気にならないよね・・・変な事言ってごめん。お休み・・・」
 そして、背を向けたまま・・・ディックはそう言ってベッドから降りようとする。
 頭で考えるよりも先に、体が動いていた。
「えっ!?」
 ディックの腕を掴み、強い力でベッドに引き倒す。
「・・・ブルース・・・?」
 驚いた表情で、じっと見つめてくる小さな天使。私だけの駒鳥。
 本当は獣のようにその全てを喰らい尽くしてしまいたかった。
 だが、溺れてしまいそうで、壊してしまいそうで、怖くて出来なかった。
 そんな感情を抱いてはいけないと、ブルースは頑なに自分に言い聞かせていた。

 しかし、大きくなった駒鳥は、自らブルースを欲し、受け入れた。
 そして、今もまた。 
「・・・ブルース・・・」
 名を呼ばれ、意識を戻すと幼い駒鳥が優しく微笑んでいた。
 腕を伸ばされ、導かれるままに顔を寄せると。眉間、瞼、頬。と可愛らしいキスをされ。
「んっ・・・」
 重ね合わせた唇は、確かに幼く小さな駒鳥の物なのに。絡めあう舌の動きは青い鳥の物と同じで。
「はっ・・・あっ・・・」
 罪の意識や我慢など、もうどうでもよくなっていた。
 思う様その小さな唇を味わい、ゆっくりと離れれば。
「あっ・・・」
 とろんと溶けきった表情で、幼い駒鳥はさらにキスをねだってきた。
「・・・いけない子だ・・・」
 パジャマのボタンをゆっくりと外しながら、小さなキスを顔中に落とし、囁くと。
「んっ、あっ・・・ブルースのっ、せい、だから、ねっ・・・」
 唇や指が触れるたび、小さく体を震わせて駒鳥は呟いた。
「・・・私の?」
 ボタンを全て外し終わり、露になった滑らかな肌に手を滑らせ、尋ねると。
「ブルースがっ、あんなっ・・・触り方・・・するからっ、んっ・・・」
「・・・・・・。」
 もうすでに寝たものだと思って触れていたのに、幼い駒鳥はしっかりと起きていて。その手の動きで熱を帯びてしまったらしい。
 なるほど、それは確かに自分の責任だ。
 それならば。
「きちんと責任を取らねばなるまい」
 震える駒鳥の首筋をべろりと舐めて、蝙蝠はニヤリと笑った。

 体は小さいのに、なるほどやはり、ディックはディックのままだった。反応を示す場所は大きい時と変わらない。
 ブルースはゆっくりと味わうように、首筋から・・・発育しきっていない胸に舌を這わせ小さな突起を吸い上げた。
「ひあっ!」
 その途端、可愛らしい悲鳴と共に腕の中の小さな体が跳ね上がる。
 そこからさらに舌を這わせると同時に、ズボンもインナーと共に脱がせ、徐々に下へと移動すれば。しっかりと存在を主張しているディック自身にたどり着く。
 当時は気にならなかったのだが、今のディックは肉体年齢からすれば少し発育が遅いのではないか?と思えるほど小柄だ。元々、体毛も薄い方ではあるが。
 その場所も、本来ならばそろそろ・・・

 ブルースから与えられる感覚がいつも以上に大きいような気がして、ぎゅっと目を瞑っていたディックだったが。不意に体を這い回る舌の感覚がなくなったことを不思議に思い、ゆっくりと目を開ければ。
「ふむ」
 ブルースはディックのその場所をじっと見つめて、なにやら難しい顔をしていた。
「やぁッ・・・そんな、じっと見ないでよ・・・」
 普通人に見られることのないその場所を、間近でじっと見つめられ。ディックは体を捩りその視線から逃れようとするが。その太股に腕を回され、しっかりと押さえつけられ。
 ブルースはディック自身に舌を這わすと、
「あっ!ああっ!!」
 ぱくりとソコを口に含んだ。
 なるべく先端に唾液を塗りこむようにして、その場所からゆっくりと口を離す。
「うっあっ!・・・ブルーッスっ!、まさ・・・ぁ・・・っ!」
 その場所から口を外しても、先端に舌を這わせ執拗に弄るブルースの意図に気付いたディックは、力なく首を左右に振るが。
「おとなしくしていなさい。すぐに、終わる」
「ひあっ!・・・!!!」
 ブルースが優しく微笑み、そう言った次の瞬間。ディックは背を仰け反らせ・・・

「まさか、二度も剥くことになるとはな」
 ブルースは顔にかかったディックのそれを手で拭い、舐めとると。達した余韻で体を小さく痙攣させているディックの頭を撫でてくすりと笑う。
 二度、とは言っているが、誤解のないように言っておくと。一度目はこのような状況ではなく、普通に父子のスキンシップの流れでそうなっただけで・・・間違ってもやましい事は一切なかった。
 神様などは信じていないので、とりあえず何か・・・蝙蝠にでも誓って。
「っ・・・っ・・・・・・ばかぁ・・・」
 ディックは漸く呼吸整え、涙を浮かべたままブルースを睨みつけた。そして、
「ディック?」
 達したばかりであまり力の入らない体をどうにか動かし、ブルースをベッドに座らせ。
「酷いよ。僕ばっかり・・・あんな、恥ずかしい事・・・」
 ブルースの膝の上に乗り、向かい合う体勢をとると。
「ブルースも、覚悟してね?」
「っ!」
 小さな天使はそう言って、ズボンの上からブルース自身をきゅっと握った。
 その顔は、見た目の年齢には不釣合いな妖艶な笑みを浮かべて。

 小さな指がパジャマのボタンを外し、小さな唇が首筋や鎖骨を掠め、小さな舌が傷だらけの肌を滑る。
 いくら小さくても、それは全てディックの物で。
「ふっ・・・くっ・・・」
 的確に感じる場所を攻められて、ブルースは必死に声を抑えていた。
「声、出してもいいのに・・・」
 しかし、体は若くなってしまっている分欲望には忠実で。ズボンを脱がされる頃にはすでに、ブルースはしっかりと立ち上がり。
「ブルース、凄く大きくなってる・・・」
 ディックは嬉しそうにソコへ何度もキスをして口に含もうとするが。
「んっ・・・おっきすぎて、全部はいんないよ・・・」
 口の周りをべとべとにしながらも、懸命に飲み込もうとするが。小さくなった体では、ブルース自身を全て口に含むのは到底無理で。
「無理はしなくて良い・・・」
 ブルースは微笑み、ディックの口の周りを拭うと、ゆっくりと口の中へ指を進入させる。
「んふっ・・・んっ・・・」
 ディックはブルース自身にできなかった事を変わりにするかのように、その指に舌を絡め、吸い上げた。
 暫くの間、ブルースは己の指をディックの自由にさせていたが。
「んぁっ・・・」
 ゆっくりと口から引き抜くと。唾液でたっぷりと濡れたその指を、四つんばいの状態だったディックのその場所へあてがい。
「こちらの口にも、全ては入りきらないかもしれないな・・・?」
「うあっ!・・・あああああ・・・!!!」
 口に進入させたときと同様。指を一本だけ・・・その場所へ、ゆっくりと進入させていった。
「ぁっ!ぁぁっ!!」
 指を締め付ける感覚は確かにきついが、ディックは自ら力を抜いて、ブルースの指を受け入れる。
 根元まで差し込んだ指を、小さく前後に動かすたび、ディックの唇からは可愛らしい悲鳴が漏れ。
「流石に、一本だけでもきついな・・・大丈夫か?」
 口ではそう言っておきながらも、ブルースは指の動きを止めようとせずぐりぐりと中で指を動かし始めた。
「あひっ!あっ!!・・・ら、らいじょっ・・・ひぅっ!!」
 体の中で、太く長い指が動くたび、その指のお動きに操られるようにディックの小さな体がはねる。
 そしてしだいに、一本しか入らないのではないか?と思うほど狭くキツかったその場所が解れだし。
 その、元の小さく狭かった状況からは考えられないほど、そこは大きく口を開け、ブルースの太くて長い指を何本も飲み込んで。
「うっ・・・あっ・・・!らっ、めっ…!!いっちゃ!!指っ、だけでいっちゃ!!・・・あっ!!ああっ!!!」
 ディックの胎内に埋めていた指が、今までにないほど締め付けられ。
「んっ・・・あっ・・・あ・・・」
「これなら、いけそうだな・・・」
 ブルースの腰にしがみつく様に、ぐったりと膝の上に体を預けているディックの頭や背中を優しく撫でながら。さて、どうすれば一番この子に負担がかからないだろう・・・と考えていると。
「んっ・・・ぶるー、す・・・」
 ディックがゆっくりと手を伸ばし、体を起こそうとするので。その手を取って、正面から抱き合うように抱き上げれば。
「ん・・・」
 うっとりとした表情のまま、情熱的な口付けをされ。そのまま体重をかけて押し倒された。
「んっ・・・んむっ・・・んっ・・・」
 馬乗り状態で、ディックは貪欲にブルースにキスをねだり、そして。
「・・・ディック・・・!?」
 自らブルースの猛ったそれを、その場所へあてがい。
「ブルース・・・ごめっ・・・ガマン、出来な・・・あっ!ああぁっ・・・・!!!」
 言うとほぼ同時に、ディックはゆっくりと腰を下ろし。ブルースの大きなそれを胎内へと導いていった。
「まてっ!ディッ!!・・・くっ、あっ・・・!!」
 ディックのその予想外の行動に、ブルースは驚き止めさせようとするが。先端が彼の胎内へ飲み込まれた瞬間、強烈な締め付けに悶え、身動きが取れなくなる。
「あっ・・・はっ・・・ぶるーしゅのっ、おっきっ・・・!!!」
 だらしなく開いた口からは涎を流しながら、呂律がまわらなくなりながらも嬉しそうに声を上げるディックを下から見上げる状態だったブルースは・・・。
「・・・・・・・・・っ」
「ひあっ!?ああっ!!」
 腹筋を使って一気に体を起こし、突き上げ、自身を全て飲み込ませると同時に・・・。
「ふぐっ!?ううっ!!」
 その悲鳴もすべて飲み込むかのように唇を塞いだ。
「んぁっ・・・んっ・・・」
 舌を絡めながらゆっくりと腰を揺らすと、飲み込みきれなかった唾液がディックの顎を伝い流れ落ちた。
 唇を離して、それをべろりと舐めあげれば。ディックは体を小さく震わせ悲鳴を上げる。
「・・・つらい、か・・・?」
 そこで漸く、体の小さなディックに酷く無茶をさせている事に気づき・・・動きを止め尋ねてはみるものの。辛いと言われたとしても、ブルースにはもう止める事は出来ない状況まできていた。
 それでも、少しくらいはディックの負担にならないようにしなければ・・・と、残りわずかな理性が腰の動きを止めさせていた。
「あっ・・・とまっちゃ、や・・・らぁっ」
 だが、ディックの唇から零れ落ちたのは、痛みを訴えるものでも、いきなり激しく突き上げたブルースを非難するものでもなく。
「ぶるーしゅっ、ちょうらっ、もっと・・・」
 ブルースの腰にその細い足を絡め、自ら緩々と腰を揺らしながら。腕を伸ばしてブルースの首に回し、その顎や唇を啄ばむ様にキスをする。
「っ!!」
 ブルースは初めは驚き動けずにいたが。
「・・・いやらしい、子だ・・・」 
 ニヤリと笑うとその細い腰をしっかりと支え。
「うあっ・・・ああああ・・・・っ!ひうっ!!」
 ゆっくりと自身を引き抜き、そして突き上げる。
「ぶるーしゅのっ!せいっ!ら、よ・・・っ!!」
「・・・私、の?」
 揺さぶられ、ブルースの背に爪を立てながらも、途切れ途切れに言葉を紡ぐディックは。どこかで聞いたようなやり取りに、楽しそうな・・・しかし酷く妖艶な笑みを浮かべ。
「ぶりゅーしゅ、が、ぼくっを。っ・・・こんな、に、したんっらっ、からっ・・・!!」
「くっ・・・」
 不意に、ただでさえ狭いその場所がさらに締まり、中に納まっていたブルース自身がキツク締め上げられる。
「せきにん・・・とって、ね・・・?」
 眉間に皺を寄せ、締め付けに耐えるブルースの顔を覗き込み、小首をかしげてそんな事を言われ。
「そう・・・だ、な。きちんと。責任を・・・取らねば・・・な」
 体の力を抜くように息を吐いて、ブルースはディックの唇をべろりと舐め。

 そこから先は・・・ただ本能の赴くままに、お互いを貪りあった。






 翌朝、ディックが熱を出したのは言うまでもない。
 が、
 きちんとパジャマを着て布団に寝かされ、喉の痛みと熱や節々の痛みと言う症状だけを見ると、風邪をひいたとそう変わらない。
「それでは、何か消化の良い物と、お薬を用意してまいります」
 ディックを一通り診断し、再びベッドに寝かせたアルフレッドはそう言って、部屋を出ようとするので。ブルースは昨夜の事はばれていないのかと胸をなでおろ・・・。
「コホンッ。ところで、旦那様。・・・暫くは、リチャード様と就寝をご一緒なさるのは・・・控えた方がよろしいかと」
 アルフレッドが言っていることは、ディックが風邪をひいているのだから当然といえば当然なのだが。
「っ!?あ・・・ああ。そう、だな」
 その言葉を発したときの微妙なニュアンスに気付いてしまい。ブルースはやっぱりアルフレッドに隠し事は無理だ。と苦笑いをしながら返事をした。



END

                                 2009/04/15














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