この日の仕事はやばかった。 別に、凶悪な殺人犯を追っているわけでも、無理難題を吹っかけてくる知能犯を追っているわけでもなかったが・・・ とにかく、やばかった・・・ 怪しげなクラブで怪しげな薬の取引が行われていると言う事前情報に、クラブの内容が内容なだけにロビンを連れて行くのはどうか・・・ということになりバットマンはナイトウィングを連れ立って現場に来ていた。 "怪しげな薬"は麻薬ではないのだが、麻薬と同じように一度摂取すると中毒を起こし、それ無しではいられなくなってしまうと言う代物だ。 麻薬では無いので警察では取り締まる事もできず、徐々にゴッサムの街にその薬が広まりつつあった。 バットマン達はその薬が蔓延するのを防ぐため、その薬をばら撒いている場所を見つけては潰して・・・を繰り返していた。 もちろん、それが根本的な解決になっていない事はわかっていたが。その薬を作っている大本がまだわかっていない今は、そうやって地道に防いでいくしかなかった。 今回も、このクラブで薬の売買が出来ないようにする。ただ、それだけの事だったのだが・・・ クラブに突入して、1階はすぐに制圧できた。1階はバーカウンターとダンスホールがある、どこにでもありそうなダンスクラブの装いだったのだが・・・続いて、地下1階、地下2階と降りていくにつれ。クラブ内の様子がどんどんと怪しさを増していく。 ホールスタッフと思われるものは皆、男も女も露出の高い服装をしていて。最下層にいたっては・・・男女入り乱れて"そういう行為"を行なっていた。 薬を使いハイになったところで相手をあてがう・・・いわば人身売買のようなこともこの店では行なわれていたのだ。 もちろん、ここへ突入するにあたって事前調査は済ませている。ここがどういう場所か、十分把握していたのだが・・・ だが、さすがに扉を蹴破った瞬間、そんなものが目に飛び込んでくればバットマンもナイトウィングも一瞬動きを止めてしまった。 が、そこはそれ。すぐさま主要人物を見つけ出し、縛り上げ、警察へ突き出した。 薬の事で逮捕は出来なくても、この店自体が法を犯している。 「・・・・・・」 バットモービルに乗り込んだバットマンとナイトウィングは、しばらくの間無言だった。 いつもなら、事件の事を話していたりするのだが。今日ばかりは流石に・・・。 戦っているときは意識はそちらに集中するのでなんとも無かったのだが、事が解決し、気が抜けたのだろう。 つい先ほど目の当たりにしたあの刺激が強すぎる光景に、まだ若いナイトウィングは完全に"反応"してしまっていた。 バットマンはいつものとおり無表情のままモービルを運転しているのだが、ナイトウィングはそわそわと何度も足を組みなおし、窓の外を見ている。 早くこの状況を何とかしなければ。今、ナイトウィングの頭の中はその事だけを考えていた。そのせいで、静かに忍び寄る大きな手にまったく気づいておらず。 「ぁっ!・・・っ!!」 太股に触れられ上げた声に自分で驚き、慌てて両手で口をふさいだ。 自分でも顔が赤くなっているのがわかる。そろり・・・と視線をバットマンの方に向ければ、向こうはじっとこちらを見つめ。 「ふむ・・・」 となにやら一人納得した様子でモービルのパネルを操作し、運転をオートに切り替えた。 「ディック」 「・・・な・・・何・・・?」 ハンドルから手を離し、腕を組んだバットマンに名前を呼ばれ。ナイトウィングは少し怯えた様に返事をする。そんなナイトウィングの心中を知ってか知らずか、バットマンは微笑を浮かべ。 「こちらにきなさい」 と、自分の膝の上を指差した。 「なっ!?えっ!!?」 いきなりそんな事を言われ驚いていると、ぐっと手を引かれ。 「あっ・・・」 「私も、お前と同じだ」 導かれ、触れた場所には強化スーツ越しにもわかる熱と質量。 「ブルース・・・」 二人はどちらともなく唇をあわせた。 先ほど目の当たりにしたあの刺激が強すぎる光景も、生死を左右する戦いでえられる高揚感も、もう頭からは消えていた。 今はただ、目の前の相手が欲しい。 「うぐっ・・・んっ・・・」 助手席から身を乗り出し、ナイトウィングはバットマン自身に舌を這わせ。バットマンは、そんなナイトウィングの髪をグローブを外した手で優しく撫で、彼のコスチュームの背中のファスナーに手をかける。 徐々に露になる白い背中に指を這わせると、その動きに合わせてナイトウィングの体が震えた。 撫でる位置を少しずつずらしていくと、もどかしそうにナイトウィングの腰が揺れる。普段の彼はバットマンと同じく一見ストイックで、そういうことには興味がなさそうに見えるのだが。その気になれば、積極的に行為を楽しもうとする。それがまた、バットマンにとってはたまらなくイイのだが。 ナイトウィングのコスチュームを脱がせながら、手は形の良い双丘を撫でる。手が動くたび、びくびくと期待に体を震わせるナイトウィングの様子にバットマンは笑みをうかべ。 「んっ・・・」 双丘の中心。バットマンの無骨な指がその場所を解すように動き。 「んっあっ!あっ!」 ゆっくりと進入してくる指の感覚に、ナイトウィングは堪えきれずに声を上げた。太い指はソコの締め付けを確かめるように、ゆっくりと、少しずつ奥へと潜り込んでくる。 二本、三本と指を増やすにつれ、ナイトウィングの嬌声も大きくなり。 「どうした?自分ばかり気持ちよくなって・・・口が動いていないぞ?」 バットマンが意地悪く言い。グローブをしたままの、もう片方の手でナイトウィングの頬を撫でる。 その手の感覚にナイトウィングは体を震わせ。 「あっ!だっ、て・・・っ!ブルースッ!もうっ・・・!!」 我慢が出来ない。とバットマンを潤んだ瞳で見上げると。バットマンは微笑みナイトウィングの額にキスをしてその腕を掴み、引き寄せた。 「もう?・・・なんだ?」 バットマンはナイトウィングに自分を跨がせる体勢をとらせ、抱き寄せると。ナイトウィングは自ら緩々と腰をふり、バットマン自身をその場所へ擦りつける様にして。 「もっ・・・我慢、出来ないっ・・・よ・・・」 ナイトウィングはマスク越しにバットマンの額や瞼に口付け。 「入れて、い・・・?」 ふわりと微笑みねだられて、バットマンはシートに完全に体を預け頬杖を付き。 「ああ、お前の好きなようにするといい」 と、にやりと笑った。 「うごい、ちゃ・・・ダメ、だよ?」 ナイトウィングは念を押すようにバットマンにそう言って、バットマン自身に手を添え数回扱き、支えると。そのまま、腰を下ろし・・・ 「うあっ・・・あっ・・・」 酷くゆっくりとした動作で、バットマン自身を飲み込んでいく。 「んっ・・・ひっ!ああっ!!」 あと少しで全て胎内に・・・という所で、急に突き上げられ。 いきなりバットマンの太く大きなモノを全て飲み込まされて、ナイトウィングは悲鳴を漏らし、バットマンの胸に倒れこんだ。 「うっ、ごいちゃっ・・・だめっ、て・・・っ」 バットマンは、びくびくと体を震わせ肩で息をするナイトウィングの背を優しく撫でて額にキスをし。 「今のは私ではないぞ」 「え・・・?っひあっ!!」 バットマンが言った言葉の意味を考えるより先に、再び突き上げられ。ナイトウィングはバットマンにしがみついた。 確かに、バットマンは動いていないのだが・・・今、二人は移動中のバットモービルの中にいる。舗装されている道路を走っていたときはそれほど大きな揺れは起こらなかったのだが・・・ 「うぁっ!!」 車体全体が大きく揺れるたび、ナイトウィングは強く突き上げられて悲鳴を上げる。 しばらくの間、そんなナイトウィングの姿を見つめていたバットマンだったが。おむもろにナイトウィングの腰を両手で支え。モービルの揺れとは比べ物にならないほど強く、ナイトウィングを突き上げた。 「ああっ!?」 「車にっ、負けるわけには・・・いかない、なっ」 バットマンの突き上げと、いつくるのかわからない不規則なモービルの振動。その両方に追い上げられ、ナイトウィングはたまらず上体を反らせバットマンから離れようとする。 だが、しっかりと腰を押さえられ。逆に、上体を少し離したことによってさらに深く、バットマン自身を咥え込むこととなった。 「あっ!ああっ!ひっ!あっ!!」 髪を振り乱し、快楽に涙を流すナイトウィングをいとおしそうに見つめ。バットマンは片腕をしっかりと腰に回してナイトウィングを支え、目の前で存在を主張している胸の突起をべろりと舐め上げ、もう片方はグローブをしたままの手で摘み上げた。 「ひうっ!!あっ!!もっ!ダッメッ!ダメッ!!」 温かい唇や舌の感覚と。冷たいグローブの感覚。両極端な感覚に同時に攻めたてられ、とうとう。 「あひっ!あっ!!ブルース!!ブルース!!」 「おっ・・・く・・・あっ・・・・」 ナイトウィングはバットマンの頭をぎゅっと抱きしめたまま絶頂を迎え、互いの腹を白く汚し。 バットマンはナイトウィングが達した事により急激に自身を締め上げられ。堪える事もできずに彼の胎内へ欲望を吐き出した。 「あっ・・・あっはっ・・・」 互いに繋がったまま、しばし余韻に浸っていたが。 「・・・着いたようだな・・・」 バットマンがナイトウィングの頭を撫でながらポツリと呟く。 その言葉が示すとおり、どうやらケイブに戻ってきたようで。バットモービルはいつの間にかエンジンもきれ、動きを止めていた。 バットマンはナイトウィングの体を支え、納まったままだった自身をゆっくりと引抜こうとしたが。 「んっ、あっ・・・ま、って・・・」 ナイトウィングはそんなバットマンにぎゅっと抱きついて、それを止めさせる。 それと同時に、中に納まったままだったバットマン自身も締め上げられ。流石のバットマンも息を詰まらせた。 「っ・・・どうし、た・・・?」 ナイトウィングの背中を撫で、優しく尋ねると。 「まだ・・・足りない・・・」 潤んだ瞳でバットマンを見つめ、顔中にキスの雨を降らせて。 「もっと、あんたが欲しいよ・・・」 それの返事は噛み付くような激しいキスで答え。 「うっあっ!」 一度自身を引抜くと、ナイトウィングの体を反転させ、押さえつけ。 「あっ!あああ!!!」 後ろから、一気に貫いた。 ナイトウィングはその衝撃に耐えるかのように、目の前にあったハンドルをきつく握り締め・・・甘く、囀った。 「う〜わ〜」 外にいると、バットモービルの中の様子は見えないし、音も一切聞こえない。 だが。なかなか降りてこないうえ、車体が不自然な揺れ方をしていれば、中で"ナニ"が起こっているかなど明白だ。 「・・・今度モービルにも何か仕掛けておこうかな・・・」 ロビンは揺れるバットモービルを前に、真剣な顔をして腕を組み呟いた。 END 2008/11/27 |