近頃ティムの様子がおかしい。 原因は、十中八九あの日の事だろう・・・ 治まるのを待つべきかと思ったが、そう言っていられなくなってきたようだな・・・ 手を打つ必要が、ありそうだ。 「ああっ!!なッにっ?・・・きょ、はげしっ・・・・!!」 ブルースの腕の中でディックが悶え、声を上げる。すでに一度達しているにもかかわらず、間髪いれずに攻められていた。 「・・・激しいのは、嫌か・・・?」 背後から覆い被さる様にして、耳元で囁かれ。ディックはぶるりと体を震わせる。 「あっ!ああっ!!・・・やっ、じゃ・・・ない・・・っ!!」 ブルースの動きに合わせ、腰を揺らし。唇を舐めて出された答えに、ブルースは笑みを浮かべる。 「いい子だ・・・」 「あっ・・・」 顎に手を掛け、肩越しに互いの舌先を絡ませる。 「んっ・・・あっ・・・ブルース、もっ・・・」 ばったーーん!!! さきほど達したばかりなのに、既に再び絶頂を迎えようとしていたディックが唇を震わせ訴える、ちょうどその時にいきなり大きな音がしてブルースの寝室の扉が勢いよく開いた。何事かとそちらの方を向くと、うつ伏せに倒れているティムの姿が。 「ーーーーッ・・・!!???」 ディックが声にならない悲鳴を上げる。ところが、ブルースは・・・ 「ティム・・・」 「・・・ごっ、ごめんなさい!!!覗くつもりじゃっ」 「こちらに来なさい」 床に伏せたままうつむいて叫んだティムに、ブルースが優しく、しかし拒否はさせないといった声色で言った。 それに驚いて、ティムは勢いよく顔を上げるが。それ以上に驚いたのはディックだ。 「ぶっ、ブルース!!??っ!くぁっ!!」 何を!?と叫びそうになった所で、中に納まったままだったブルース自身を抜かれ、思わず声を上げそうになるのを堪えた。 「ティム・・・見ないで・・・」 ベッドに伏せたまま、力なく言うディックに・・・ティムは息を呑む。 「・・・あ・・・」 じっと二人の様子を見つめたまま固まっていたティムだったが。ブルースが優しく頷くのを見て・・・ふらふらと、二人の傍に近づいた。 「ほら、ディック・・・今更、だろう?」 ティムがベッドに手を掛け、ぎしりと音がした瞬間。ディックがびくりと体を震わせる。その肩に優しく手を添え、ブルースが囁きかけた。 「でも・・・でっもっ」 それでも、うつ伏せたまま顔を上げないディックを、ブルースは腰に腕を回し軽がると抱き上げた。 「あっ!!!」 胡坐をかいて座るブルースの上に座らされ、目の前には・・・ 「ディック・・・」 「ティムッ・・・」 色に潤んだ瞳のティムが目の前に。 「ティム。お前は、どうしたいんだ?」 じっとディックを見つめているティムにブルースが声をかけると、ティムは視線をブルースに移し。 「・・・僕も、混ぜて欲しい・・・あの日、みたいに・・・」 熱い吐息と共に言われ、ディックの心臓がどきりと高鳴った。 「・・・そうか、ならば・・・」 「あっ!ああっ!!だめっ!!」 ブルースはそっとディックの膝裏に腕を回し、ディックの足を大きく開かせティムの眼前に晒した。 「ティム、舐めなさい」 ブルースの言葉に頷き、ティムがソコへ顔を近づける。 「ティム!?だめっ!」 だが、ディックは顔を真っ赤にして両手でソコを隠す。その両の手首をティムが掴み、ゆっくりと開くと・・・ 「ティムッ!?ティムッ!!・・・・・!!!」 あと数センチでティムの唇がソコに・・・というところで、ディックは両手を掴まれたまま、ティムの頬へとその掌を動かした。 「まって、ティム・・・もう抵抗しないから・・・手、放して?」 諭すように優しく言うと、ティムは少し戸惑いを見せるが・・・そっと、掴んでいた両手を放した。 「・・・いい子だね・・・」 そんなティムに、ディックはご褒美だと言うかのようにそっとその唇を舐め、優しい口付けを。 「・・・ティムとは、ちゃんとしたキスもまだしてないのに・・・いきなり舐めさせるなんて・・・」 非難するように少し振り向いて言うと、まるで機嫌をとるように、ブルースはディックのこめかみにキスをした。 「もう・・・っ!?」 ブルースの行動に小さく息を吐いたところで、急に両頬に手を添えられ顔を前に向かせられると同時に唇を塞がれる。 「んっ・・・」 幼く拙い口付けで、ティムは懸命にディックを貪ろうとする。ディックも始めは驚いていたが、ティムのそんな姿に微笑みその頬に手を添え。 「んぁっ!!」 ティムの唇をぺろりと舐め、開いた口内へ舌を滑り込ませた。 「んっ・・・んんっ・・・」 そして、空いた方の手で着たままだったティムのパジャマに手を伸ばす。上からボタンを一つずつ外し、肩に手を滑らせするりと上着を脱がせてから、ズボンに手をかける。 「あっ・・・」 一瞬、ティムが恥ずかしそうに身を捩るが。下着ごとズボンを下げられ、下着に押さえられていたティム自身が勢いよく立ち上がる。 「私達のSEXを見て、興奮したか?」 それを見てのブルースの一言に、ティムの顔がさらに真っ赤に染まった。 「ブルース」 あまりに直接的な物言いに、ディックが咎める様な口調で名を呼ぶと、ブルースは肩をすくめた。そんなブルースの様子に、ディックは小さく息を吐き。ティムに向き直ってその頬を撫で。 「ねぇティム。今日は・・・どうしたい?」 優しく尋ねると、ティムは一瞬間どういうことかわからなかったのか首を傾げるが。すぐに意味を理解したらしく、頬に添えられたディックの手を両手でぎゅっと握り締め。 「入れたい・・・!!ディックの中に入って、ディックを感じたい・・・!!」 「O...Okey...」 鼻息荒く力いっぱい言われ、さすがのディックも少々引き気味にだがOKを出した。 「あ・・・でも・・・」 「・・・ん?何?」 だが、ティムはすぐに視線をそらし口ごもる。頬を赤く染め恥らう姿は、歳相応でかわいらしく思え、ディックが優しく先を促すと。 「その前に・・・ディックの、舐めたい・・・」 「・・・っ!?」 恥らいつつ、上目遣いに言われた言葉がその見た目とはかけ離れていたのでディックは言葉を失った。 「・・・だめ?」 それでもなお上目遣いに求められ・・・ディックは小さくため息をつくと。 「歯、立てないでよ?」 と苦笑してティムの頭をひと撫でした。 「んっ・・・あっ・・・ね、ねぇ。ブルース・・・ッ」 熱い息を吐きながら、ディックが背後にいるブルースの名を呼ぶ。 「ん?どうした・・・?」 肩越しに振り向くディックの眉間やまぶたにキスをして、ブルースが返事をすると・・・ 「足・・・放してッ、くれ、ない・・・?」 ディックの前方ではティムが蹲り、懸命にディック自身にしゃぶりついていたが。そのディックの足を、ブルースが後ろから抱えるようにして大きく広げていた。 「ダメだ」 しかし、ディックの願いは軽く一蹴されてしまう。 「んぅっ!・・・なんッ・・・」 「手を放したら、お前は足を閉じてしまうだろう?」 「そっんなっ・・・ひゃうっ!!」 急に、ディックが悲鳴を上げてその体がびくりとはね、前屈みになる。何事か?とブルースが前方を見てみると、 「ティ、ムっ・・・噛んじゃ・・・ダメ・・・」 俯いたまま肩で荒く息を吐き、ティムの頬に手を添える。 「だって、ディックはブルースとお喋りしてばっかりなんだもん」 ティムは顔を上げ、拗ねたように唇を尖らせた。 「ねぇディック、気持ちよかった?僕、ちゃんとディックの事気持ちよくしてあげれてる?」 縋るような瞳で見上げて言われ、ディックは何とか呼吸を整え、 「気持ちよすぎて・・・今、イキそうになっちゃった・・・」 甘い吐息と潤んだ瞳で言われ、ティムはごくりと喉を鳴らした。 「ディック・・・入れたい・・・入れて、いい・・・?」 ティムはそのまま伸び上がり、ディックの唇に何度もついばむようなキスをして、腰を押し付け切ない声色で訴える。 「あぁ・・・いい、よ。おいで・・・」 その頭を優しく撫で、ディックは天使の微笑で囁いた。 「・・・ディック・・・」 その笑顔に吸い込まれるようにキスをして、ティムは己自身を支え、ディックの最奥へと身を進める。やり方は前回に教えてもらったからわかっている。慌てずに、ゆっくり、落ち着いて・・・ 「うぁっ・・・ああ、あ・・・っ!!」 「あんっ・・・」 先端がもう少しでディックの中へ・・・・というところで、ティムは耐え切れずに達してしまった。 「・・・・・・」 あまりの情けなさにへこんでいると、見かねたディックが俯いたティムをぎゅっと優しく抱きしめ。 「大丈夫。始めてなんだから・・・みんなそんなものだよ?」 優しくされると余計情けない気もするのだが、ティムは素直にその優しさに甘え、たくましい胸板に頬を寄せる。 「・・・ほんと・・・?でも、この間はこうならなかった・・・」 「あれは・・・ほら、体がブルースだったし」 「ブルースは僕の体だったけど、こうならなかったよ?」 「経験の違いだ」 「ひゃっ!!」 ふふん、と言った感じでいい、ブルースはディックの首筋を舐め、胸の突起をきゅっとつまんできた。そんな、ティムに見せ付けるようなブルースの行動に・・・大人気ないなぁ・・・とディックは苦笑する。 時々、ブルースとティムのレベルが同じくらいなのではないか・・・と思ってしまう事があるくらい。ブルースは子供っぽく、ティムは大人っぽい時があるのだが・・・ ある意味、似たもの同士なのかなぁ・・・? そんな事を考えていると。 「ん、ぁっ・・・」 腕の中でおとなしく撫でられていたティムがゆっくりと腰を揺らし始め、ディックは思わず声を上げた。 「あ・・・あのね、その・・・ディックの匂いかいでたら・・・」 恥ずかしそうに顔を赤らめつつも、ティムはディックに腰を押し付ける動きをやめようとしない。 「んっ・・・ああ、いいよ・・・今度は、我慢。できるよね?」 ディックはティムの額にキスをして、優しく微笑んだ。 「うっ・・・あっ・・・すごっ・・・」 ゆっくりと、先ほど自身が吐き出した白濁を潤滑剤に、ティムがディックの中へと進んでいく。 「はっ、ぁっ・・・」 ティムが時折動きを止め、強烈な快楽に飲まれそうになるのを堪えてか。眉間に皺を寄せ、耐える姿を眺めつつ。ディックはできるだけ体の力を抜き、ティムを受け入れる。 「入った・・・ぜん、ぶっ・・・入った、よ。ディック・・・」 「ああっ・・・わかる、よ。ティムが、中にっ・・・いるっ、て」 肩で荒く息をしながらぎゅっと抱きついてくるティムを優しく抱き返し、何度もバードキスをして、ディックはティムが落ち着くのを待った。 「・・・う、動いても、いい・・・?」 「ん・・・ゆっくり、ね・・・」 しばらくして、漸く呼吸が落ち着いてきたティムがおずおずと尋ねると、ディックは微笑み、頷いてくれた。 「あっ・・ああっ・・・」 「ディ、ックの、なかっ。熱くって・・・ぬるぬるしてっ、すごっ・・・気持ちイイっ・・・」 ティムがゆっくりと腰を動かすたび、ディックの口から甘い声が漏れる。それが嬉しくて、徐々に腰を動かす動きを早めると、ぐちゅぐちゅと濡れた卑猥な音と共に、白いモノが溢れ出し、泡立った。 「あっ・・・・・・ブルースの・・・出てきた。・・・っ!?」 それを見て、ティムがポツリと呟くと、急にディックの締め付けが強くなり、ティムは動きを止めざるえなくなる。 「ディック・・・そんなっ、締め付けっ・・・」 「だってっ・・・っ!!」 体を震わせティムはそれに耐えていたが。ディックも締め付けてしまったせいで胎内のティムを明確に感じてしまい、身悶える。 ティムと行為を始める前に、ブルースはすでに一度ディックの中で達していた。だから、こうやって彼のものが出てくるのは当然なのだが・・・ まさかそれを、ティムが言うとは思っていなかったディックは必要以上に反応をしてしまっていたのだ。 そして、ブルース自身はと言うと・・・ディックの髪を撫でながら、そんな二人の様子を楽しそうに眺めていた。 今、ディックは胡坐を崩して座っているブルースの内腿を枕に、ティムに正面から貫かれている状態だ。 初体験のティムに考慮してか、ティムがディックと交わってからはブルースは一切手を出していなかった。だが、それが返ってディック自身を煽っている。そして、ティムもその状況に激しい興奮を覚えていた。もちろん。ディックの中から溢れてきたブルースのものも、十分ティムを興奮させてくれた。 「どうした?ティム。動いてやらないとディックは満足しないぞ?」 「わかって・・・る、よっ・・・」 「うぁっ!!」 ブルースに言われ、ティムは少し角度を変えてディックを突き上げた。すると、ディックの口からは先ほどまでと違う声が。 「ここ・・・?ここが、イイの・・・?」 ティムは、やっと見つけた。と言うかのようにニヤリと笑い。そこを執拗に攻め立てる。 「あっ!!そっこっ・・・っ!!」 突き上げられるたび、背を弓なりに反らし嬌声を上げるディックを、ブルースは満足そうに見つめていた。 見ているだけの状態ではあるが。自分の大切な小鳥が2羽、自分の手の中で淫らに戯れている姿は酷く欲情をそそる。 ふと、自分の足に顔をこすり付け甘い声を上げる大きな小鳥が物欲しそうな目でブルース自身を見つめている事に気が付いた。 時折声を上げると同時に舌をのばそうとするも、すぐに引っ込め、歯を食いしばる。 それを何度か繰り返していると、小さな小鳥が・・・ 「いいっよ、ディック・・・舐めてっ、あげて・・・」 それを聞いて、ディックは潤んだ視線をティムに向ける。ティムがそれにコクリと頷くと、ディックはお預けを解除された犬のようにブルースのソレにむしゃぶりついた。 「ディックは、本当にっ。ブルースが、好きだね・・・んっ」 それを見て呟かれたティムの声や表情に、マイナスの感情は見て取れなかった。むしろ、その事実がとても嬉しいとでも言うかのような・・・だが。 「僕も、負けてっらんない・・・ねっ!!」 「んはぁっ!!」 それはそれ、と言うかのようにティムは自身をぎりぎりまで引き抜き、先ほど見つけたディックのイイ所をめがけて思い切り突き上げた。手は腰と同じリズムでディック自身をしごき、追い上げ。 「ディック、ディックッ・・・ぼくっ、もうっ・・・!!」 「あっ!ああっ!!僕、もっ!!あっ!!イッ・・・!!!」 二人はほぼ同時に声を上げ、一呼吸置いてから、ティムはゆっくりとディックの腹の上に体を預けた。 荒く呼吸を繰り替える二人を優しく見つめ、ブルースがティムの頭を撫でる。 「初めてにしては、なかなかやるじゃないか」 「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・あんたの、体で経験済みだから、ね」 互いに皮肉めいたやり取りをしていたが。 「・・・ティム・・・?」 しばらくするとディックの胸の上で、ティムはまったく動かなくなった。ブルースのティムを呼ぶ声に、ディックも顔をあげティムの顔を覗き込む。 「・・・あれ?・・・寝ちゃった・・・?」 「そのようだ、な」 目を伏せたまま、幸せそうな顔ですやすやと寝息を立てる駒鳥に、青い鳥と蝙蝠は互いに顔を見合わせ苦笑した。 「さて・・・」 「・・・さて、じゃないよ。何のつもり?」 「もちろん、先ほどの続きをな」 「ちょ!!ティムが寝てるんだよ!?」 「ああ。だから、あまり大きな声を出してはいけないぞ」 「えっ!?ちょっ!!っちょーーーーー!!!」 大きな大きなベッドの上。 すやすやと寝息を立てている駒鳥の真横でお預けを食らっていた蝙蝠が青い鳥に手を出したのは言うまでもなし。 『あ〜・・・やっぱりね・・・。けど、傍で見ると迫力あるなぁ・・・』 さらに、目を覚ました駒鳥がこっそりと薄目を開けてその様子を盗み見ていたことも言うまでもなし。 END 2008/09/30 |